先週、世間を驚愕させたお笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太と女優・蒼井優の結婚は、プロレスファンからも祝福されている。山里はこれまで何度もDDTプロレスのリングに登場し、人気レスラーの男色ディーノ、マッスル坂井の親友としても知られているのだ。
山里とDDTの出会いは、2013年8月17日の両国国技館大会。2days興行の初日で、坂口征夫の弟である坂口憲二、筋肉少女帯など数多くのゲストが登場したスペシャルイベントだった。この大会のMCを務めた山里は“文化系プロレス”の魅力にどっぷりとハマっていくことになる。
後楽園大会を観戦に行ったところ、タイトル挑戦者を決めるじゃんけんトーナメントでレフェリー不在の状況となり「お客様にじゃんけんの審判ができる方はいらっしゃいませんか?」とリング上に呼び出されてみたり、いつでもどこでも誰でも挑戦できるDDTの名物タイトル「アイアンマンヘビーメタル級王座」のチャンピオンになったこともある。
このアイアンマン王座は人間でなくとも戴冠可能。山里のラジオ番組「山里亮太の不毛な議論」(TBSラジオ)内で、リスナーからのメールがチャンピオンになったこともある。大会に登場した翌週のオンエアで、山里がDDTの魅力を熱く語るのも、ファンにとってはお楽しみの恒例行事だった。
今年2月、DDTブランドの大会でマッスル坂井がプロデュースする『マッスル』の両国大会にも山里は出演……というより、なぜか選手として出場させられることに。ディーノと組み坂井&クロちゃん(安田大サーカス)と対戦し、最終的に山里が「肛門爆破」のペナルティの憂き目にあっている。
山里に勧められてDDTの映像を見たという蒼井は、この「山里肛門爆破」を“えらく”気に入った模様。そのことが、結婚発表会見での「浮気をしたらDDTさんに懲らしめてもらいます」(蒼井)というコメントにつながった。
慌てた山里は「その単語は言わないほうがいい……」と、蒼井優が「肛門爆破」というワードを発することを必死で阻止。そんな中、会見のあった5日深夜の「不毛な議論」では、ゲストとして登場したaikoが躊躇なく「肛門(爆破)ですよね」とトークしていたことも付け加えておきたい。
山里は過去、DDT両国大会の坂井vsディーノ戦でも「ディーノの大切なものを爆破する」というルールの結果、肛門を爆破されたことがある。こうなると「ゲストの芸能人」というより、限りなく「DDTメンバー」に近い存在だと言っていいだろう。
結婚発表直後の「不毛な議論」ではリスナーへの思いから号泣するなど、山里の人間性はあらためて広く知られることとなった。無論、プロレスファン(DDTファン)は山里の性格の素晴らしさや芸人としての感性を以前から感じとっていた。
熱い闘いに感動するだけでなく、肛門を爆破されたり、メールがチャンピオンになったりするDDTのバカバカしさに、山里は全力で乗っかってきた。賢しらに突っ込んでみたり、「プロレスだから」と斜めに構えたりするのではなく全力で乗っかる。つまりそれは、その世界の「一員になった」ということだ。そこにプロレスファンは安心と共感を得た。
DDTを見ている者なら、誰もが「山ちゃんは信頼できる男」と思っていたはずである。簡単に言えば我々の仲間だということ。仲間の結婚だから、心から祝福したいのだ。
文・橋本宗洋
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