■「本当の事を隠して、窮屈な青春時代を生きていました」
13日に放送されたAbemaTV『NewsBAR橋下』に出演したしみけんが、AV男優としての半生を振り返るとともに、はあちゅう氏との出会いによって"性癖"が変化しつつあることを告白した。
しみけんの話は15歳、高校1年生のときに今の職業を志したエピソードから、"ウンコ"の問題、そして将来のビジョンにまで及んだ。
「実は4歳の時からウンコ食いたいという特殊性癖があって。普通の子どものように、ウンコウンコ!ってわいわいするのではなくて、好きな女の子のを食べたいと。でも、子どもながらにそれがいけないことだということもわかっていたので、本当の事を隠して、窮屈な青春時代を生きていました。そして、15歳の時、『糞尿家族ロビンソン』という作品に出会って…。今まで隠していたことが、この世界では肯定されている、この世界に行けば、窮屈な思いをしなくて済む。僕の居場所はここにあるんじゃないかと思いました。そうでなければ犯罪者になってしまっていた可能性もあったかもしれないですね。友達の卒業アルバムにも"AV男優になる!"と書いて。周囲や両親のことは何も考えませんでした」。
そして現在の道を決定づけたのが、マツコ・デラックスからの一言だったという。
「アンテナを広げていると引っかかるもので、受験勉強中にたまたま『内外タイムス』を見ていたら、男優募集が出ていました。"こんなところにあった!"と。小1から塾に通わされていたくらいなので、もちろん親は"大学に行け"と。だから受験勉強をしながら就職活動をしていました。そして行った先がゲイの撮影現場だったんです。グラビアと、男性との絡みがありました。でも、18歳の僕にはAVの世界のことがわからないから、次の現場は女性が相手だと信じていました。それでも男性相手の現場が続いて。たまたまその編集部にマツコ・デラックスさんがいて"あんたがいる世界はゲイの世界。AVの方に行ったほうが良いと"教えを頂いて。それから30社くらいに履歴書を送ると、1社だけ電話がかかってきたんです。取ったら、第一声が"君、ウンコ食える?"でした。"食べたこと無いけど、食べられます!"と言ったら、デビューが決まりましたね。そこからAV男優の世界にのめりこみました。でも、最初に聞いた"顔の前に来たものは全て咥えろ"という教えは突き刺さって、今も忘れられないですね(笑)」
その後の活躍は誰もが知るとおりだが、しみけんによると、「1年に300人くらいがこの世界に入ってくるが、翌年に残っているのは10人にも満たず、さらに次の年には2、3人が残るかどうか」というAV男優業界。「理由は、思ってた感じと違うとか、辛いとか。きれいな女優さんとの仕事ばかりできると思って入ってくるというのもあります。でも最初は女優さんに触ることも絡むこともできないんですよ。満員電車のシーンで壁になってるだけとか(笑)。昔は給料もむちゃくちゃ安いですから。"現物支給"としてうまい棒とか、残ってるおにぎりとか。今は変わってきていますが」と、決して楽な業界ではないようだ。
■最高年収3000万…AV男優に必要なのは「可愛げと好奇心」
そんなAV男優に必要な素質をたずねると、「おそらく、可愛げと好奇心だと思います」と話す。
「よく勃起とかに重点を置きがちですけど、そういうものは場数を踏めば慣れていくものです。そうではなく、人間関係でできている仕事ですから、挨拶ができる、しっかり会話ができる、そういう中での可愛げが必要です。性に関しては、好奇心を持ってないと育まれないと思います。若い男性、特に10代だと、見てくれのきれいなひとばかりに目がいきがちだけど、それでは自分のタイプと全く別の人が来たら対応できない。でも、"この人はどういうセックスをするんだろう?"とか、"性について、どういう考えを持っているんだろう?"と考えると、全て受け入れられる。駆け出しの男優なんて、まなちゃんみたいに可愛い子とは絡めませんから。僕だって一本目がウンコで、二本目がババアに磔にされて鞭で叩かれる、3本目から記憶ないから(笑)。8本目くらいの電話で"アナルもんだけど"って言われて、"ちなみにそれは男性ですか、女性ですか、人ですか犬ですか"って聞いたことを覚えているくらい(笑)」。
共演経験のある紗倉まなは「その通りだと思います。デリケートで、お互いに精神を見せ合うことでもあるわけで、やっぱりつながりを大事にしてくださる方、モノとして扱わず、ちゃんと配慮をしてくれる方、性的な対象以外の部分で心遣いをしてくれる方かどうかは女優さんたちも求めていることです。NGになる男優さんもいる。やっぱりそれは人間性においてのNGですね」とコメント。
するとしみけんは「僕でもNGを出されている人います。僕がNG食らう理由は大体2つしかなくて、匂いフェチなので、脇の匂いを必要以上に嗅いでしまうのが嫌がられるか、アナル舐め。それが苦手な人はNGになります。だけど、普段やらないことを男優がやると、女優さんもいつもと違う表情を見せるんですよ。たとえば吉沢明歩ちゃん。50分尺の中で30分アナル舐めを続けたんです。そしたら一発NG食らった(笑)。だけど監督からは"アッキーのあんな表情見たこと無いから良かったよ"って言われましたね。ちなみに3Pで、全く関係ないもう一人の男優もNGになってましたけど(笑)。ただ、15年間トップで走り続けた吉沢さんはプロ意識が高いので、レイプシーンだと本当に嫌な男優ということで、僕を指名してくれます」。
「最も多く年収を稼いだ年は500本以上出て、年収3000万でした。1日に6本撮影する時もありました」と話すしみけんだが、「今は男優の収入が1割にも満たないんです。著作物やSNSを使った活動や講演会がほとんどなんです」と話す。また、長年にわたって"第一志望"が食糞、第二志望が女性との絡みだったのが、はあちゅう氏との交際、事実婚を経て、「最近では不思議なもので、食べたい意識が一切無いんです」とも明かした。
■はあちゅう「これを機会に言っておきたいんですが、そういうことは一回もないです。」
赤裸々な告白の連続に、「いま、はあちゅうの顔、見られないんですけど」としみけん。
するとはあちゅう氏は苦笑しながら「ウンコを食べるという人だというのは知っていましたから。私、ネットに旦那絡みでも、よく嫌なことを書かれるんですけど、特にウンコを食わされたのか、食ったのか、ということが多くて。これを機会に言っておきたいんですが、そういうことは私達の間では、一回もないです。でも、初めてデートしたときの会話で、"マスクの中に生理用品を入れて吸いたい"とか言ってきて。東京タワーとかが見える超高級ホテルの中華で、ですよ。こんなに気持ち悪い人、見たことないと思いました。でも、それって私を嫌がらせるために言っているのではなくて、この人ってそういう趣味で産まれてきたんだ、って目からウロコで。今までウンコを食べる人に出会ったことはないけど、世の中にはそういうことでしか興奮できない人もいるのかと。関わらないという選択肢ではなく、視野を広げないといけないと思いました」と告白。
「最初にウンコのプレイの話を聞いていたからこそ、AV男優という仕事も徐々に受け止められたのかもしれません。私は普通のことだけで大丈夫なので、その欲を満たしたいんであれば他の人とやってきてほしい。私はやりたくない、と言いました。私は、どんなに彼のことが好きでも、その壁は超えられない。性的な満足感を得るということと、恋愛とがどうしても一致しない人もいるかもしれないと思った時に、これまでの恋愛観がアップデートされました」。
はあちゅう氏の話を申し訳なさそうに聞いていたしみけんは、「薬物問題で更生しようとする人が、治すのは無理だけど、"昨日は大丈夫だった、今日も大丈夫だった…"、と言うのに似てるなと思っていて。"昨日は食わなくて大丈夫だった、今日も食わなくて大丈夫だった…"みたいに、はあちゅうと付き合ってから、"あ、食ってねーな"と気づいた」。
そんなしみけんに、紗倉まなが「何歳まで仕事を続けるのか」と尋ねると、「僕の中で答えがあって、本当に死ぬまで、カメラの前で死にたいとさえ思っている」と断言。「今、83歳の最高齢の方がいらっしゃいます。海外のテレビ局で特集が組まれるくらい。絡み中によく寝ていて(笑)、死んだかな?と思ったら生きてたみたいな(笑)。でも僕は本当にこの職業に感謝しているし、僕が走り続けることで勇気をもらう人もいると思うから」。
夫妻の話を聞いていた橋下氏は、「世の中に"受け皿"というものが必要だという、大事な話だね」とコメント。しみけんも、「重要な話ができたと思います。同じ悩みを持っている方たちが共感してくださっていると思います」と話していた。(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)