老後資金の不足額が2000万円になるという金融庁の報告書問題。27日放送のAbemaTV『NewsBAR橋下』では、架空の学校に存在する部活「投資部」を舞台に少年たちがお金について学んでいく人気漫画『インベスターZ』の作者・三田紀房氏をゲストに迎え、橋下徹氏と議論した。
橋下:「2000万が不足」って言うけれど、そもそも年金というのは老後の生活を100%保障するものではない。簡単に言えば、「現役世代の所得の半分までは保障します。あとは自分たちで考えて下さい」、これが出発点。報告書の2000万円というのも、高齢者の平均貯蓄額が2400万でしたよ、ということに基づいていて、貯金が無い方は残りの分を働くのか、資産運用するのか、どうしますか、という投げかけ。無理なら贅沢はできないので、なんとかしましょうと。もし社会保障を増やすなら払う方増やさないといけないんだから。
三田:資産運用、投資は早ければ早いほどいい。成功の原則は、長ければ長いほどいい。つまり、コツコツやること。株をドンと買ってギャンブル的に儲けようとする人は、100%失敗する。畑に水をやるような気持ちで、少しずつ大きくするという気持ちの人でないと。
橋下:僕はどれが儲かる・儲からないと、個別のことを考える能力が自分にはないと思ってる。でも貯金の利率は増えないと思うので、ETFでアメリカ経済に投資しています。目利きはインドだ、東南アジアだ、と言うけれど、やっぱり世界の中でアメリカはすごいなっていう思いがある。シビアに見て、日本よりも安定しているんじゃないかと。もちろん米中貿易戦争などで状況が悪くなるリスクはあるし、今がピークだという見方もある。勝負はしていないけれど、アメリカ経済が緩やかにでも上がればリターンが得られるという状況。
三田:中国やインドはタイムリーだけれど、新興国というのは伸びる時は大きい分、落ちるときにはハードランディングしてクラッシュする可能性もあるので、リスクが伴う。たからといって、全くやらないということではなく、分散するという考えでいいと思う。アメリカはローリスクでも、リターンもそんなにない。だから10%くらいはハイリスク・ハイリターンの新興国でやってみて、バランスとるのが一番良いのではないか。ただ、僕は今ほとんど投資をしていない。いわば漫画が投資(笑)。これはかなりハイリスクだけど、映画の原作になったりして、当たればハイリターン。
橋下:日本って、額に汗しないで儲けるのはどうなの?という風潮があるけれど、その意識は変えないと年金問題は解決できないと思う。一時的に暴利を貪るのではなく、貯金だけじゃなくて、経済全体にお金を預けてみる、という感覚で皆がやらないと、年金なんて絶対もたない。でも、ビットコインとかで一発儲けようという人が多すぎるからね。
三田:3年前にビバリーヒルズの有名なデパートのカフェでお昼を食べた時、お店の中がシャネルやルイヴィトンとか、指輪やネックレスを身につけて、綺麗にお化粧した80歳くらいのおばあちゃんたちで満員。聞いてみたら、みなさん投資家なんですよと。つまり、アメリカ人の老後はこういう姿がポピュラー。庶民が株を買うことも当たり前で、20歳くらいから投資を始めて、そのリターンを老後に使っていくというスタイルが根付いている社会。
橋下:とにかく、リスクもあるけれど、年金という考えを投資に振り向けていかないと。あの報告書については書き方の問題もあったかもしれないけれど、本来は国会議員がちゃんと議論しないといけないこと。それなのに麻生さんが受け取らなかったのも大問題だし、野党が「ほら不足している!安心じゃないじゃないか!」って言うのも違うと思う。年金は老後の生活を保障するもんじゃないんだから、投資の方に意識を変えていきましょうよ、という話を国会でせなあかん。
二人の話を聞いていたMCのサバンナ高橋茂雄は「40歳になっても何もしてない(笑)」、アシスタントの紗倉まなも「まずアメリカを買って、インドもちょっと…(笑)」と話していた。(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)












