『株式会社ニシノコンサル』がAbemaTVで放送された。当番組はキングコング・西野亮廣が、さまざまな悩みを抱えた相談者を相手に名案・妙案・オリジナルアイデアを提案する新感覚コンサルティング・リアリティーショー。
今回の相談者は、兵庫県三田市に昨年6月にオープンした商業施設・三田まほろばブレッツァを手がける、株式会社グリーンウィンドの上村哲也さんだ。上村さんが運営を一任されている施設・三田まほろばブレッツァは「グローサラント」というスタイルで営業している。「グローサラント」とは、欧米で流行している、スーパーマーケットにレストランが併設されている商業施設のこと。今回、上村さんが持ち込んだ相談は「グローサラントを広めるための画期的なアイディアが欲しい」というもの。
実はオープン前の期待に反し、売上目標に届かない苦境を強いられていることから、当番組の収録のわずか2週間後に、経営陣に対して改善案の提出を迫られている上村さん。結果次第では、同施設の特徴である「グロッサリー」と「レストラン」のうち、いずれかが消滅してしまうという。
まずは、あまりにも急すぎるリクエストに「もっと早く来てくださいよ！」と、ややたじろいだ様子でツッコミを入れる西野。今回、西野と共に三田まほろばブレッツァをコンサルするのは『2011 SALON DU CHOCOLAT AWARD』で『外国人最優秀ショコラティエ賞』を受賞するなど、輝かしい実績を持つパティシエ・ショコラティエの小山進だ。
小山は「（リサーチに）事前に3回行きました。オープンのときに行って、（出演を）受けてから3回」と、すでに現地に赴き入念なリサーチを実施していた。その上で「（三田まほろばブレッツァは）やられたいことは分かる。グローサラントという定義を浸透させたいという思いはあるけれど、実際とのギャップがありすぎ」と、コンセプトや運営方針などについては一定の理解を示しつつも、いきなり苦言。
小山は「いい食材はいっぱいあります。この間、僕は三田の製麺所のつけ麺を買って帰った。その製麺所もそこで見て、初めて買ったんですよ。そこから僕、製麺所を見に行きましたもん。うまいなぁと思って」と、同施設の魅力を説明。「でもやっぱ繋がってないんですよ、ここで食べるものと。理想は理想であるけど、あまりにかけ離れ過ぎてるんやと思うんですよ。もっともっと繋いだほうがいいですよね」と、改めてその持ち味を活かした形での改善を促した。
その後、上村さんによって、同施設ならではの商品ラインナップの紹介を受けた西野と小山は、その中でもイチオシだというプリンを実食。しかし、これを食べた小山は、本職ということもあってか「おいしい。おいしいけど、おいしいものは世の中いっぱいあるんですよ」と、パティシエ目線でまたもや手厳しいコメント。
販売手法・演出という観点で、改善すべき点があることを指摘した小山さん。比較対象として小山の店のプリンを紹介し、西野も「たしかにおいしそう。ビジュアルはやっぱりすごい。買いたくなっちゃう」と、両者の差と、小山の指摘に納得した様子。
番組では「肉がおいしい」「オリジナリティがある」と小山も絶賛する同施設の人気商品『但馬牛カツ丼』に話が及んだ。『但馬牛カツ丼』に西野は「“まほろばのカツ丼”みたいなことが、むちゃくちゃ有名になってしまえば『まほろばに行こう』ってなる」と、看板商品ができれば施設自体が注目を集め、結果として「グローサラント」というスタイルの認知度が広まる可能性を示唆した。
小山も「レストランの入り口のところに卵を積んだり、肉もちゃんと分かってもらわないといけない。そういうところがグローサラント。希望や理想は分かりますが、まずは繋げたほうがいいですね」と提案し、これには上村さんも「その通りです」と同意した。
さらに、番組では店内のインテリアや動線などにも徹底してこだわったという小山の店『パティシエ エス コヤマ』の事例を紹介。店の敷地内に置かれた昆虫をモチーフにしたオブジェや、店先や庭に設けられているQRを使ったおすすめスイーツの案内、さらには大人客禁止で子どもだけが入ることができる洋菓子店『未来製作所』を設けることで、親子のコミュニケーションを生む演出が施されているといった同店ならではの工夫が紹介された。
小山の事例を見た西野は「いや、これ、天才ですね。このお店のつくり」と、小山の手腕を絶賛。さらには15年もの歳月をかけ、それぞれの弱点を補い合う形で、チョコレート専門店、パン店、子どもの洋菓子店、マカロン・ジャムの販売店と、段階的に「分家」させていった小山。この戦略に西野も「へえー！なるほど！」と感心していた。
収録後、今回のフィードバックをもとに、上司へのプレゼンテーションを行った上村さん。その結果、小山と西野の提案を用いる形で部分的な改善を行い、無事に店舗の存続が決定することになったという。小山さんも「これからやることが増えたんですけど、前向きなことばかりなので、頑張っていこうと思います」と、ホッと胸を撫で下ろしていた。
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