28日、映画『凪待ち』の初日舞台挨拶が行われ、香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、吉澤健、音尾琢真、リリー・フランキー、白石和彌監督が登壇。白石監督がミュージカル映画制作への意欲を明かした。
本作は宮城県石巻市を舞台にしたヒューマンサスペンス。ギャンブル依存症の男・郁男(香取)は、恋人の亜弓(西田)とその娘・美波(常松)と共に彼女の故郷、石巻で再出発しようとする。少しずつ平穏を取り戻しつつあるかのように見えた暮らしだったが、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかないことが起きてしまう―。
舞台挨拶では登壇者がそれぞれ考えた「『凪待ち』クイズ」コーナーが行われ、白石監督は「このメンバーで次回作を作るとしたら、どんな映画でしょうか?」というクイズを出題。「ヤクザもの」「アニメーション」「(本作で亡くなる役を演じる)西田さんが復活するゾンビ映画」とさまざまな回答が上がるが、正解は「全員に歌って華麗なステップを踏んでもらうミュージカル」。
『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』『孤狼の血』など、社会派な作風の印象が強い白石監督。イメージのなさから香取が思わず「白石監督は今までミュージカルは?」と尋ねると、白石監督は「な、ない……でも、WEBドラマでちょっとそういうのはあります。……あながちできなくはないと思っています」としどろもどろ。しかし、「でも、まぁ『時計じかけのオレンジ』みたいなパターンもありますしね」と白石テイストを加えてのミュージカルもあり得ると続け、「楽しい映画を作りたいなと思っています」と『凪待ち』メンバーでの次回作に意欲をのぞかせた。
ストーリー
毎日をふらふらと無為に過ごしていた郁男は、恋人の亜弓とその娘・美波と共に彼女の故郷、石巻で再出発しようとする。少しずつ平穏を取り戻しつつあるかのように見えた暮らしだったが、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかないことが起きてしまう―。ある夜、亜弓から激しく罵られた郁男は、亜弓を車から下ろしてしまう。そのあと、亜弓は何者かに殺害された。恋人を殺された挙句、同僚からも疑われる郁男。次々と襲い掛かる絶望的な状況を変えるために、郁男はギャンブルに手をだしてしまう。
テキスト:堤茜子
写真:You Ishii