
全国公開中の映画『今日も嫌がらせ弁当』(配給:ショウゲート)。本作の原作はAmebaブログの総合デイリーランキングで1位を獲得し話題を集めた「kaori(ttkk) の嫌がらせのためだけのお弁当ブログ」。書籍化『今日も嫌がらせ弁当』でさらに人気に拍車がかかり、ついに映画化に至った。八丈島で暮らす主人公のシングルマザー・持丸かおりを篠原涼子が演じ、嫌がらせ弁当を毎日受け取る次女・双葉役を注目の女優の芳根京子が務める。共演には、かおりのブログ愛読者・信介に佐藤隆太、双葉の姉・若葉に松井玲奈、双葉が想いをよせるクラスメイト・達雄に佐藤寛太。八丈島の雄大な自然の中で暮らす登場人物をユーモラスかつ生き生きと描いている。
本作の監督・脚本を務めたのは塚本連平で、幼少時に『最後の猿の惑星』(73)と『ゲッタウェイ』(72)の二本立てを観て、映画が好きになり映画監督を志すようになったという。座右の銘は「だめでもともと、できたらラッキー」。今後の作品にも期待したい監督の今までの作品を紹介する。
『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』(2008)
あらすじ
1970年代・栃木県の田舎町。平凡だが発想はピカイチのママチャリを筆頭とした高校生7人がいた。ある日仲間の一人がスピード違反で地元の駐在さんに捕まり、停学になってしまう。彼らは、駐在さんへの復讐を誓い、イタズラ戦争が勃発。やってはやり返しの繰り返し。果たして彼らの戦いはどこへ向かうのだろうか…!個性的なキャラクターたちが織り成すドタバタ青春コメディー。
見どころポイント
口コミで人気を集めた、“半”フィクションネット小説の映画化で、なんと現在も連載が続いており根強い人気の本作。 塚本監督独自のコメディセンスが光理、頭を空っぽにして腹の底から笑えるハッピーな映画は、後にも先にも多いとは言えない。どこまでも続いていく愉快なイタズラ戦争の行く末を見守りながら、温かい気持ち、懐かしい気持ちになれる。
『レオン』(2018)
あらすじ
磨けば美人でナイスバディだが、消極的で地味な派遣OL・小鳥遊玲音。彼女が勤める会社の社長の金持ちで女好きの朝比奈玲男。ある日二人は同じ車の事故に巻き込まれ、心が入れ替わってしまう。とんでもない事態に陥りながらも、なんとか会社にたどり着いた玲男だったが、誰も入れ替わってしまったことを信じてもらえず、混乱に乗じて会社乗っ取り事件も勃発。一方で禁断の恋の予感もありつつ、事態はどんどんエスカレートしていく。
見どころポイント
OLの玲音と社長の玲男の2人が入れ替わったことを皮切りに、様々な出来事が大混雑!キャラクターは皆本気なのに、見ているこちらからは滑稽でもう笑いが止まらない!散らかって散らかって散らかりきってのラストは爽快。塚本監督独自の笑いのセンスが爆発した最高のエンターテイメント映画だ。
『今日も嫌がらせ弁当』(全国公開中)
あらすじ
シングルマザー・かおりは自然と人情豊かな八丈島で次女・双葉と暮らしていたが、可愛い娘が反抗期に突入し、話しかけても返事をしてくれなくなってしまう。そこでかおりは、娘への対抗として“嫌がらせ弁当”を作ることに。毎日渡されるド派手なキャラ弁に“うざい!”と言いつつも残さず食べ続ける娘と、毎日欠かさず弁当を作り続ける母。徐々にそれは、母から娘に向けられた大切なメッセージとなっていく。不器用な愛とそれを受け取る娘の絆に、誰もが胸を熱くする。
見所ポイント
何と言っても本作の見所は「キャラ弁」。貞子弁当、ボンド木工用弁当に加え、ダンディ坂野、小島よしお、スギちゃん、日本エレキテル連合の芸人面白弁当まで!毎回出てくるキュートで個性的なお弁当の数々は、嫌がらせとは思えないほどのクオリティ。毎回キャラ弁を通じて行われる親子のテンポ良い掛け合いは、塚本監督ならではで、コミカルなシーンだけに留まらず、お弁当をコミュニケーションツールとして使い、直接会話をかわさずとも親子の絆を深めていくストーリーは、きっと誰もが共感できる部分があるはず。笑って泣ける、塚本監督作品の真骨頂と言えるだろう。


(c)2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会
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