ピッチ上で愛を誓う「Jヴィレッジウェディング」 実現に動いた“影の立役者”の思い
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(8枚)

 いつもなら、ボールを蹴る音が響くサッカー場。この日、フィールドの上に広がっていたのは、“緑色の芝”で彩られた結婚式「Jヴィレッジウェディング」だ。福島県にあるサッカー施設「Jヴィレッジ」で、1組のカップルの結婚式が実現するまでの秘話にAbemaTV『AbemaMorning』は迫った。

 今月20日、新たな門出を迎えたのは、福島県いわき市出身の国文輝幸(こくぶん・てるゆき)さんと奏(かな)さん。そして、この特別な演出を手がけたのは、Jヴィレッジに勤務する志賀真穂(しが・まほ)さん。志賀さんは新郎新婦と同じいわき市の出身で、新婦・奏さんとはJヴィレッジの元同僚だ。

ピッチ上で愛を誓う「Jヴィレッジウェディング」 実現に動いた“影の立役者”の思い
拡大する

 2011年に発生した福島第一原発事故の復旧作業の拠点となっていたJヴィレッジ。今年4月、全面的に再開され、志賀さんは施設の新たな試みとして「ウェディング」事業に挑戦することを決めた。

 そのキッカケとなったのは、3月末に退職した新婦・奏さんから、結婚式場の相談を受けたこと。志賀さんは「奏さんがサッカーが大好きで、新郎もサッカー大好きというところで、だったら(結婚式は)Jヴィレッジしかないなという気持ちがあった」と話す。

ピッチ上で愛を誓う「Jヴィレッジウェディング」 実現に動いた“影の立役者”の思い
拡大する

 もちろん結婚式のための設備はなく、マニュアルの作成やウェディング衣装の準備など、まさにゼロからのスタートだった。それでも、志賀さんにはこの結婚式をやり遂げたいという“特別な思い”があった。

 「高校を卒業して1週間後に震災が起きてしまって。大学進学を諦めて社会人として働くことになって、7年間が過ぎたところで、ずっとどこかで震災復興のお手伝いをしたいなという気持ちがありました」

ピッチ上で愛を誓う「Jヴィレッジウェディング」 実現に動いた“影の立役者”の思い
拡大する

 志賀さんはもともと、ウェディングプランナーとしていわき市内のホテルに勤務。そんな中、復興のシンボルでもあるJヴィレッジが再開するということを知り、転職を決意。去年4月から、Jヴィレッジで宿泊業務を担当している。

 「Jヴィレッジ自体がたくさんのお客様に利用していただける施設に、今までよりパワーアップして帰ってきたと伝えられるとうれしいなと思っています」(志賀さん)

 人工芝の広大なピッチの上で、「Jヴィレッジウェディング」は実現。バージンロードは、緑色の芝をそのまま生かし、選手入場と同じようにセンターラインを歩く演出に。そして、新婦が新郎のもとにたどり着く先には、サッカーのゴールを設置。文字通り、二人だけのゴールインを決めるという意味を表現している。

ピッチ上で愛を誓う「Jヴィレッジウェディング」 実現に動いた“影の立役者”の思い
拡大する

 一番の見せ場となったのは、ファーストバイトならぬ“ファーストキック”。輝幸さんによる渾身のシュートが決まり、サポーターでもある約50人の出席者から大歓声が沸いた。

 披露宴も志賀さんの手腕が発揮され、サッカー一色に。招待状や席次表、各テーブルのデザインなど、細かいところまで徹底的なこだわりだ。

ピッチ上で愛を誓う「Jヴィレッジウェディング」 実現に動いた“影の立役者”の思い
拡大する
ピッチ上で愛を誓う「Jヴィレッジウェディング」 実現に動いた“影の立役者”の思い
拡大する

 復興への思い、そして仲間への思い。Jヴィレッジを舞台にした“幸せの物語”は、まだ始まったばかりだ。

ピッチ上で愛を誓う「Jヴィレッジウェディング」 実現に動いた“影の立役者”の思い
拡大する

 「この結婚式でひとつ復興のお役に立てることができていたらうれしい。Jウェディングというようなブランドとして、今後発信していくことができたらうれしいなと思います」(志賀さん)

(AbemaTV/『AbemaMorning』より)

【映像】白線の“バージンロード”を歩く新婦

ピッチ上で愛を誓う!
ピッチ上で愛を誓う!
サッカー×ウェディング
「Jヴィレッジ」が聖火リレーの出発地に
「Jヴィレッジ」が聖火リレーの出発地に
“復旧”の拠点から“復興”の象徴へ
浴衣の田中萌アナがうっとり..
浴衣の田中萌アナがうっとり..
.光に包まれてデートなう?
この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(8枚)