幼児向けの図鑑『はじめてのはたらくくるま 英語つき』(講談社)をめぐって、Twitterで論争が起きている。
理由は戦車や装甲車を始め、陸海空3自衛隊の乗り物が6ページを使って特集されていることに対し、読者から"武器としての意味合いが強い乗り物が掲載されているのは未就学児向けの図鑑として不適切"と指摘があったからだ。
同社はこの図鑑について回収はしないものの、増刷をしないことを決定。担当者は、表紙には自衛隊の車両が載っているが、帯がかかるとちょうど隠れてしまうため、気付かずに買った人がいたことから、今回の指摘が生まれたのではないかと推測。その上で、「通常、こういった児童向け書籍に対して指摘が届くことは今までなかった。ただ今回、『はたらくくるま英語つき』には十数件の意見が届いたので増刷しないという判断をした。自衛隊の装備が不適切だからではない」と説明している。
この騒動に対し、Twitter上には"こんなの言いがかりだろ!なんでも規制すればいいって話じゃない""自衛官は立派な職業なのにおかしいだろ""日本では戦車よりも普通の乗用車の方が武器としての意味合いが強いと思ったのだが?"といった声が上がっている。また、創刊40年以上を誇る軍事雑誌『月刊PANZER』のTwitterアカウントは「はい!弊社の本、発行物全て『不適切本』決定です!そんな不適切本作り続けて44年ですが何か!(逆に開き直りますよ)」とツイートした。
ふかわりょうは「私はこういう風潮は好きではない。ただ、我々は"自衛隊と呼んでいるが、英訳することで日本人がイメージするものとは違うものになる可能性があるということも、クレームをやすいのではないか」と指摘。ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「モンスタークレーマー問題だと思う。どのくらいの声があれば反応しないといけないのか、もう一度、社会的な通念の共有が必要だと思う」とした。




