「(表現の不自由展は)中止すべきではない。本件に関する最大の権力者である大村知事がファックス一枚で脅されて止めている。もし大村さんが表現の自由について言及するのであれば、愛知県警を動員してでも続けたらいい。でもおそらく今回は、大村知事であれ、津田大介氏であれ、うしろめたさがあったはず。ファックスを送ってきた犯人が逮捕されても再開していない。じつは政治プロパガンダであることがバレてしまったと、怯んで止めたのではないか」
日本維新の会に所属する衆議院議員の足立康史氏が、「表現の不自由展」が中止に追い込まれた件について愛知県の大村秀章知事、さらに「あいちトリエンナーレ」で芸術監督を務める津田大介氏の二人に苦言を呈した。さらに足立氏の勢いは止まらず、展示に対する批判が相次いだ慰安婦像についても次のように続けた。
「公金が入っている中で(展示の有無を決定する)審査もずさん。慰安婦像は朝日新聞の大誤報。朝日新聞自体が『これは間違いでした』と言っていることを、そのまま蒸し返している話。つまり、デマであり、ヘイトであり、反日だ」
足立氏の意見に「待った」をかけたのが、映画監督の井筒和幸氏。井筒氏は「反日かどうかを皆で確かめようというのがアート」と足立氏の言葉を遮ると「反日と決めつけるよりも、僕らもあの像のことをよく知らないということもある。だから、目の前で見てみたい」と続けた。
そんな井筒氏に対して足立氏は「強制性の議論はあるが、戦時下に女性の人権が蹂躙されてきた過去は日本だけではなく、韓国をはじめとする世界中であった。戦時の女性の人権を尊重する像として世界に示していくのであればわかるが、この像(慰安婦像)は性奴隷という形で日本だけを糾弾する形、象徴になっている」と改めて自身の発言の意図を説明した。
「コンセプト自体は、足立さんのような意見を歓迎してたはずだ」と持論を展開したのは、東京大学大学院卒で元日経新聞記者の作家である鈴木涼美。鈴木氏は「そもそも表現の自由というのは、あなたの表現は素晴らしいから、発表の自由を保障してあげるという思想ではない。あなたの表現はクソだけど、発表の自由を保障してあげるというのが表現の自由。だからこそ、作品に対するどんなヤジが来ても、主催者はもちろんアーティストだって文句はないはずだ」と主張した。
「最後に一つだけ」と手を挙げた足立氏は「それで大村知事は止めた。大村知事が中止にしたことを見て、私は『やはり悪意があったんだ』と感じた。テロに屈したことによって、うしろめたいことがあったのだという解釈をしました」と述べた。
「ちょっと文脈は変わるが」と断りを入れて議論に加わった経済ジャーナリストの内田裕子氏は、自身が大学で芸術を学んだ経験から「表現の自由はもちろんあり、自由にやるべきというのは憲法でも保障されている。ただ国際アート展、芸術祭において『(慰安婦像が)本当に芸術なのか』という議論がないがしろにされている。芸術は最後の領域であり、最後の聖域。プロパガンダなど色々なものを何でもありにしてしまうと、芸術という尊いものがうやむやになっていく危険がある」と訴えた。
(C)AbemaTV
▶映像/慰安婦像は「デマであり、ヘイトであり、反日」 維新・足立康史議員、大村知事と津田氏を批判
▶元セクシー女優が赤裸々告白、金子恵美氏が絶句!
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側