自民党の小泉進次郎衆議院議員と滝川クリステル氏による、電撃的な婚約会見。15日放送のAbemaTV『NewsBAR橋下』に出演した橋下徹氏と国際政治学者の三浦瑠麗氏が、日本中に衝撃を与えたあの会見の印象について語った。
三浦氏は一報を受けた時、折しも英国旅行中にだったという。「おめでとう、とメッセージを送って、ありがとう、という返信もあった」と明かしつつ、「官邸で報告というのは、大々的過ぎた感じがあったけれど、進次郎さんのアピールの場だとか、官邸の政治利用だとか、それだけじゃないと思う」と指摘。
「日本全体があれだけ反応したとことで、結婚がいかに大事で、結婚していない=守るべきものを持っていない、と見られがちであること、多様な生き方や事実婚、結婚しない道というものが社会で浮くということがわかった。確かにアメリカなどでは政治家が家族を大事にしていて、わざわざ奥さん同伴で公の場に出たりもする。日本はそういうことはしない一方で、"結婚して初めて一人前の政治家"みたいな価値観が後ろにあると思し、日本のエリート層や自民党支持の有権者の多くは、そういうものを重視しているとも思う。だから進次郎さんも"人気取り"をせざるを得なかった。なぜ重要なのかわからないけれど、前例、伝統で重要らしい、これで家も安泰みたいな。やっぱりそういう昔ながら価値観でやってきた政党の総理候補だし、こういう"上がり方"しかできない」との見方を示した。
その上で三浦氏は、「少し前までは、官僚出身者が有為な政治家になり、総理候補になっていたが、今は"名家主義"みたいになっちゃったなという感じもした。さらに自民党の中で良しとされれば総理候補になれるかといえば、そうでもない。やはり知名度があり、大衆に支持されていなければいけない。私も有望な政治家を何人も知っているが、皆さん知名度がない。そういう乖離を感じたときに、2世議員、3世議員に批判的だった私も、一概にそれだけでダメだとは思わなくなった。進次郎さんのような人は、最初から背負っている重圧も違うと思うし、それによる困難によって人格が陶冶される部分もあると思う」とも話した。
橋下氏は「びっくりしたのは、僕は今50歳だけど、実は安倍さんが最初に総理をやったのは51歳のとき。すごいな、と思った。進次郎さんは今38歳なので、この流れで大臣をやってもらいたいね。世界のリーダーは40台前半でガンガンやってるんだし、日本も60代、70代じゃなくて、30代、40代が引っ張っていく政治になってほしい」とした上で、次のように指摘した。
「あえて苦言を言わせてもらうと、官邸での報告、あれが政治利用だとは思わないけれど、"ちょっと待って、ここは官邸だから、場所を移してやりましょう"、そういう感覚を持っていてほしかった。僕が前から感じていたのは、国政は政治と行政の区分けがズブズブだということ。それが加計学園問題にも繋がっていったところがあると思っている。大阪ではすごく厳しくしていたから、大阪市長・橋下徹としての会見は市章の入ったバックボードを使っていたけれど、政治家・橋下徹としての会見となったら必ず外していたし、選挙が始まったら市のホームページから僕の肖像やメッセージが全て消えるようにしていた。仮に市役所の僕の部屋に維新の会メンバーが結婚報告に来たら"アホか!そんなもん、別のところに来い!"と言ったはずだ。進次郎さんは筋の通ったことを言うし、新しい時代の政治家としてみんなも期待している人。選挙というのは奥さんも一生懸命やらないとなかなか通らないのが現実だけれど、それでも奥さんには関わらせないという、新しい政治家の夫婦像を切り開いていくような感じがしたから、もうちょっと厳しく律するのかなと思っていた」。(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)