CrazyBoy from 三代目 J SOUL BROTHERS(以下 CrazyBoyと表記)が8月23日、第1弾配信シングル『PINK DIAMOND』をリリースする。
三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーELLYによるソロ・プロジェクトCrazyBoyはこのたび、レーベルをLDH MUSICに移籍。名義も『CRAZYBOY』から『CrazyBoy from 三代目 J SOUL BROTHERS』に改めたほか、ロゴも一新した。2017年よりソロプロジェクトを展開してきたCrazyBoyが、『PINK DIAMOND』のリリースを皮切りに、第2章をスタートさせる。
AbemaTIMESでは、今作のリリースを記念してインタビューを実施。改名した理由、レーベルの移籍、今後の活動についてなど話を聞いた。
やっぱり”ダンスミュージック”という表現だった
--レーベルを移籍して変化したことはありましたか?
CrazyBoy:今回、レーベルを移籍したことで、自分の良いところを凝縮した作品を作れる環境に身を置けたなと思ったんです。去年、CDを出す前、タイトなスケジュールではあったんですけど、楽曲を”バーっ”と制作して。けれど、サウンド的に自分が本当に表現したいことが描けたかなと考えると少し疑問が残って。自分を活かす音楽が作れていなかったかなと後になって思ったんですね。そんな思いを抱えたまま、その先のツアーが終わったところで、”自分の魅力ってなんだろう”と自問自答しました。そこで、たどり着いた気持ちはやっぱり”ダンスミュージック”という表現だったんです。そのタイミングで、自分のことを1番理解してくれている、LDHというレーベルに移籍して、とことんチャレンジしていこうと思いました。そこから自分の中での、第2章が始まったという感じです。
--CrazyBoyが表現する音楽の最大化というか、スタッフワークも含めて、ある種の筋力アップを図るというか。
CrazyBoy:そうですね。自分のことを1番理解してくれているのがLDHだなと素直に思えたので。制作を進める上でのフットワークも軽くなったし、なにしろLDHはスタジオも持っているので。
--よりスピーディに物事が進むようになった?
CrazyBoy:うん、なりました。そしてより濃く、集中出来る環境にもなったかなと思います。制作に関しても、総合エンターテインメントで発信することができるのも、自分にとってすごく良いんです。音楽のセールスで終わるのではなくて、音楽にプラスアルファして、ライブについても考えて、そこで提供するグッズ、そして集まったオーディエンスを癒すコーヒーなんかの提供も考えられる。音楽を中心にしながら、多方面で活動できるのがLDHの強み。楽しみながら制作を進めることができています。
--すべて、連動していくことができると。
CrazyBoy:ここでなら”CrazyBoyの総合エンタメ化”も実現できるなと。予算の管理とかも、音楽の面じゃなく、全体で見ることできる。それが何に繋がるかというとMVの表現の仕方にも影響してくるし、細かい全てが自分のスタイルにハマったなと思います。
女性に対する最上級の賛美
--『PINK DIAMOND』というタイトルにはどんな意味が込められているんでしょうか?
CrazyBoy:まず楽曲を作るときに”ダイアモンド”を軸にしたいと思いました。それから、トラック制作を進める中で、”女性に向けたダンスミュージック”を作りたいと思ったんです。”女性を現す色ってなんだろう?”って考えた時、ピンクかなと。ピンクのダイアモンドってダイアモンドの中で1番高価なもの。女性に対する最上級の賛美を込めたタイトルなんです。
--なるほど。サウンド面についてはいかがですか?
CrazyBoy:最近、自分がよくクラシックを聴くっていうのもあって、ストリングスの音から幕を開けたいと思い、クラシカルなイメージを大事にしながらトラックメーカーと制作を進めました。イントロは自分の中で気に入っていて、”これからどんな展開が待っているんだ”というような期待感を煽れるかなと。スタートではラップ、それからメロディアスな歌、それからフックのパートに展開していって、ブリッジでは今まで聞かせたことのないハイトーンの歌声を入れています。すごくドラマティックな流れの構成を描けたんじゃないかと思います。サビの後半ではラテンっぽいノリも感じることができると思うので、1曲からさまざまな要素を感じてもらえるんじゃないかな。CrazyBoyというアーティストを凝縮したようなサウンドになったと自負しています。
--緊張感やスリリングさも漂う楽曲の中で、ブリッジのパートなんとも美しく響いてますよね。芸術性が高いというか。
CrazyBoy:これまでの自分はストリート感が強いイメージだったと思うんです。あえてそういう一面を押し出していたところもあった。でも今作では、”美しさ”とか”切なさ”とかそういうものを恐れずに表現できたというか。初めてブリッジのパートを聞いた人は「CrazyBoyが歌ってる」って思わないんじゃないかな。きっと驚いてもらえるんじゃないかと。
--なぜ敢えて1曲だけのリリースに踏み切ったのでしょう?
CrazyBoy:今回自分を代表する1曲を作りたいという意味も込めての配信リリースです。自分を活かす音楽はダンスだと思ってからここまでたどり着いたので、そこで生まれてきた1曲を大事にした結果です。
壮大なMVになった
--MVも公開されました。
CrazyBoy:今作は映像も大枠プロデュースさせてもらいました。現実とNEO TOKYOを行き来するというテーマに、自分が大好きな映画『Mr.&Mrs. スミス』のエッセンスも取り入れて。映画の中で1番好きなシーンがアンジェリーナ・ジョリーとブラットピットが銃で撃ち合うところです。そのシーンもリスペクトとして、MVの中で表現しました。現実とNEO TOKYOを行き来する中で、自分の大好きな女性を救うというストーリーです。これまでの僕の作品にはない、壮大なMVになったかなと。
--カメラワークも細部までこだわってそうですね。
CrazyBoy:日本のミュージックシーンって銃で撃ち合うような派手なアクションを含むMVってあんまりないと思うんですけど、僕はハリウッド映画も好きなのでそういう要素も取り入れました。そこを美しく表現するためにはカメラワークにもこだわるというのは不可欠なことでした。それとMVのラストには次の活動につながるシーンも描かれているんです。
--そうなんですね。
CrazyBoy:1曲だけのリリースとはいえこれだけで終わらせたくはないんですよ。これを次に繋がるステップにもしたくて。
--次なるショーへの入り口というか。もう、その構想は出来上がってるんでしょうか?
CrazyBoy:うん。楽しみにしていてください。
登坂広臣から「まじでこれ? 半端ないね」
--今後の展望は?
CrazyBoy:7月にアメリカで開催された『OTAQUEST LIVE』というイベントに出演して、自分の音楽がアメリカにハマったなっていう実感をもらいました。観に来てくれたEXILE AKIRAさん、NAOKI KOBAYASHIさん、他のLDHのスタッフさんたちが僕のアメリカでのライブがどうなるか想像がついてない中で、その日のライブで1番盛り上がってしまったっていうのがあって。アメリカの人たちが歓声をあげてくれたり、客席で騒いでくれたのが本当に印象的でうれしかったです。僕も現地で歌い踊って、初めて感じることができた喜びでした。自分に対しての可能性を改めて感じることができたし、そこからいろんなコラボレーションの話も生まれた。国境を越えて、様々な楽しい企画が生まれそうです。
--そうなんですね。
CrazyBoy:今回の『PINK DIAMOND』もそうだし、ゼロからソロプロジェクトを始動させて、アメリカで素晴らしいアーティストに共鳴してもらえたのはなによりうれしいことでしたね。
--では今後、CrazyBoyとしてのグッドニュースをファンに届けられそうですね。
CrazyBoy:そうですね。ソロのダンスミュージックアーティストとして、海外展開もしていくと思うので。引き続きダンスで魅せる音楽を作っていきたいです。
--三代目のメンバーから新曲について何か反響はありましたか?
CrazyBoy:びっくりしてましたね。オミ(登坂広臣)は「まじでこれ? 半端ないね」って言葉をかけてくれたり、今市(隆二)くんにもリアクションをもらって。特にオミは、メンバーとしてじゃなく、アーティストとしてリスペクトしてくれた気がしました。三代目を制作してるA&Rも僕の音に衝撃を受けていて、「ELLYにこんな一面が出せたんだ」と驚いてました。
--側にいるメンバー・スタッフが驚くくらいですから、ファンの方にも今回の曲はある種、サプライズになりそうですね。
CrazyBoy:自分の持ち味をすべて使ったので、自分の音楽の幅を初めてのシングルに落とし込めた手応えはあります。
--今後チャレンジしたいことは?
CrazyBoy:ソロライブは絶対です。それと自分の音楽のビジョンが今回でより明確になったので、世界規模でこんなアーティストが日本から出てきたんだと思ってもらえるように活動していきたいです。そうなる未来を想像すると、僕自身もワクワクするし、アメリカに限らずアジアの音楽家やダンサーと積極的にコラボしていきたいです。
取材・テキスト / 中山洋平
写真 / 藤木裕之