約2年前、記者会見で菅官房長官と“質問バトル”を繰り広げ、世間の注目を集めた東京新聞記者・望月衣塑子さん。望月さんは質疑応答の場で、23回の質問を重ね、通常10分程度の会見が40分に延長。官邸から抗議を受けても圧力に屈しない望月さんの姿勢が、話題を集めた。
SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV/毎週土曜21時から放送中)では、「女性記者のリアル」をテーマに女性記者たちが自身の経験を赤裸々に語った。
「今は良くも悪くもネットが発達していて、会見質疑のやりとりが文字起こしされてシェアされる。質問している姿が可視化されたときに『もっと記者が追究してほしい』『厳しく聞いてほしい』と応援の声が届く」(望月衣塑子さん)
現在では、質問数が制限され、かつてのように“質問バトル”することはないと話す望月さん。望月さんの話を聞いた元日本テレビ報道局記者でキャスターでもある町亞聖さんは「記者の質問は国民の質問なのに、制限を作るのは絶対におかしい」と意見。「質問の制約をなくすべきでは」とコメントした。
また、望月さんは歴代ワースト2位を記録した2019年参院選の投票率(48.8%)にも言及。「前回の参議院選挙よりも、テレビの放送時間が減っていた」と指摘し、「投票率の低さにはメディアにも原因がある」と話した。
今の日本では、各党同じ放送時間で紹介しないといけないルールがある。党によって報道の不平等が生まれてはいけないからだ。
「(選挙報道をすれば)見られるけど、すべての党を取り上げないといけない。バランスを考えると結局、報じないほうがいいという結果になる。与党側はメディアコントロールをして、支持率をどうすればあげられるのかを考えているから、選挙戦の最中にハンセン病の控訴断念や、輸出管理も行う。バランスや中立、公正といっても、明らかに与党有利な報道だった」(望月衣塑子さん)
今回の選挙戦で「さまざまな選択肢をメディアが伝えられたのか疑問」と述べた望月さん。働くアラサー女性のためのニュースサイト『ウートピ』編集長の鈴木円香さんは「今はメディアの中で取材ができるのは希少な人材」と話す。
「取材しないメディアはたくさんあるし、特にウェブメディアでは多い。大変な仕事なのに、コストがかかりすぎるという判断で削られてしまう」(鈴木円香さん)
現場の声を拾う大切な仕事である記者職。取材を経て、どのような報道を国民に行うべきか。伝え方が問われている。
(AbemaTV/『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』より)
(ライター/小林リズム)