SNSで「報道して」千葉・鋸南町 3日連続取材で見えてきた状況「支援物資は増えたが…」
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 Twitterに投稿された1本の動画と「報道をしてください」「助けが必要」だと訴える声がネット上で拡散された、千葉県・鋸南(きょなん)町の台風被害。町の至るところで屋根の瓦が落ち、海沿いでは建物が完全に崩れ落ちるなど、手のつけられないような状況になっていた。

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 そして、町民の一番の悩みが停電による生活への影響だ。役場内に設けられた携帯電話の充電スポットには多くの人が集まり、「早く電気がきてほしい。(停電して)もう3日目だから冷凍庫のものがみなもうアウトになっちゃいますね」との声も。

 AbemaTV『けやきヒルズ』が鋸南町に入ってから3日目となる13日、町は少しずつではあるものの前に進んでいる様子だ。鋸南町に届く支援物資について笹生浩樹さんは「昨日、一昨日くらいから非常に多くいただいています。特に水や食糧が届いていて、被災状況などがほとんど報道されていなかったものですから、情報が拡散されるにつれて皆さんが承知してくださって、物資がたくさん届くようになったと実感しています」と話す。

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 しかし、物資が増えてくると必要になるのが仕分けをする人手だ。12日朝からボランティアに参加しているという女性は、自分の家が被害に遭ったにも関わらず「地元のため」と協力しに来たという。

 「私の家も窓とか割れてひどいなと思っていたんですけど、周りを見るともっと困っている方がいっぱいいた。想像を絶するほど『被災地なんだな』という状況を感じて」

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 また、ボランティアの人手は足りない状況だといい、「ここも足りていないんですけど、もっと足りていないのが、屋根が飛んじゃった方がいっぱいいるのでそういうマンパワー。雨が降るかもしれない状況なので、屋根の補修とかそういうところは足りていない」という。

 一方、停電のなか地域のために営業を再開させるスーパーも。「ゴミ袋とか電池とか乾いた袋に入ったものはまだ(使える)。食糧が不足しているから、営業はしていますけど一部分だけ。やはり皆さん困ってますから、少しでも役に立てばとできる限りのことはしているんですけど」。

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 SNSをきっかけに被害状況が拡散されたことについて、『WIRED』日本版編集長の松島倫明氏は「友人が鋸南町の隣にある鴨川市の内陸に住んでいて、停電は続いているが元気でやっているという安否をInstagramで確認するということがある。彼はお米を作っているが、千葉は鴨川市やいすみ市のように自立した生活を志しているある種のコミュニティーみたいなものがあって、こういう時こそ助け合うという動きがあるように思う」と話す。

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 また、停電による影響が深刻だと指摘し、「これだけ気候変動が叫ばれている時に、なぜ日本は電柱の地中化が進まないのかという問題は改めて思うところがある。さらに大きな話だと、インターネットによって情報は分散化されたが、社会の喫緊の課題はエネルギーの分散化。千葉は太陽光発電の基地がたくさんあって、木々を切り倒してそういうものを使っているのに、結局地元には届かない。中央制御されたエネルギーのシステムも社会として変わっていくべきところだと思う」と主張した。

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 一方で、SNSが果たす役割は大きいとし、「SNSも社会のインフラとして機能していると感じた。ちょうど今週は9.11で、米同時多発テロから18年が経ったが、アメリカのメディアで『当時僕らがSNSを持っていたらどうなっていただろう』という議論があった。その時僕らはテレビでしか見ていなかったが、今はSNSがあるからこそ状況をシェアできる、できるアクションがあると改めて考えた」と述べた。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

【映像】SNSで拡散された動画、現地の模様

「支援物資は増えたが…」
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SNSで「報道して」千葉・鋸南町
“本当に必要なもの“とは?
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停電続く鋸南町を緊急取材
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