平均年齢61.6歳の新内閣において、38歳の若さで初の入閣を果たした環境・原子力防災担当大臣の小泉進次郎議員。12日、就任後に環境省を訪れた小泉環境大臣は「福島の復興を後押しするのも環境大臣の仕事。意識は復興大臣という思いで頑張ります」と決意を述べた。ニュース的な話題が比較的少ない環境省に100名を超える報道陣が詰めかけるなど、いま「進次郎フィーバー」が沸き起こっている。その一方、ある疑問もささやかれている。それが、小泉進次郎氏の功績だ。そこで15日にAbemaTVで放送された『Abema的ニュースショー』では、「進次郎議員って、なにした人?」というテーマで議論を行われた。
「やっぱり人気取りですよ」
国際政治学者の舛添要一氏が、初入閣を果たした小泉進次郎議員フィーバーに疑問を呈した。さらに舛添氏は「滞貨一掃で知らない人が入閣した。何か目玉がないといけないか中、彼が入閣したことで陰に隠れていられる人がいる。ただ就任後の発言を聞いていると危うさもある。厚労部会長などの経験も積んでいるが、もう少し下積みが必要だったというのが私の意見だ」と述べた。
一方、ジャーナリストの堀潤氏は「東日本大震災以来、福島取材を継続しているが、行く先々で進次郎さんの話を聞く。進次郎さんの周りには若手の起業家やNPOの社会起業家もチームでいる。政治と復興と新たな成長戦略のパイプ役を果たしていたことに違いはない。表には成果は見えにくいが、成果のない(見えない)大臣は他にもたくさんいる。若手を叩くのではなく、色々な人が参入できる自由な環境省をつくればいい。環境省は原発の所管外だという人もいるが、それは大間違い。廃棄物を管理する中間貯蔵施設は環境省が管理している。さらに経産省が所管する原発敷地内では廃棄物の管理が難しいので、環境省が所管する中間貯蔵施設で保管するという案も出ている。進次郎さんはそういったことも承知の上で、覚悟を持って引き受けたはずだ」と話した。
「官僚が若手である進次郎氏の意見を聞くのか」という質問も出たが、そのことについて堀潤氏は「よほど偉そうな大人よりはいい。頭ごなしに怒鳴りつけたり、わかってもないのにわかったフリをする大臣のことは、現場の官僚はナメている。その点、進次郎さんに関しては一緒になって考えられるという受け止め方をされているのではないか。そのまま実績を積んで欲しい」と説明した。
議論は厚労部会長を務めた小泉進次郎議員がなぜ、厚労大臣ではなく環境大臣に落ち着いたのかについても及んだ。
「首相候補といわれている小泉さんを無傷で置いておくために環境大臣にしたのでは」と指摘したのは、東京大学大学院卒で元日経新聞記者の鈴木涼美氏。鈴木氏は「環境省は常駐の記者がいないくらいニュースに乏しいところだった。ニュースにならないということは安全ということだ」と話した。
しかし堀潤氏の見方は少し違った。「意地悪な人事だった」と私見を述べた堀氏は「2020年にはオリンピックがあり、韓国もそうだが諸外国から日本の原発に関する注目度が高まっていく。政府は『アンダー・コントロール』と言っているが、その時に差配を振るうのが小泉さんだ。加えて、以前に比べて環境に対するブランド力は上がっている。その2点を踏まえて『やれるもんならやってみな』という思惑も見え隠れする」と説明した。
すると舛添氏は「普通に考えれば厚労大臣だろうが、厚労大臣は年金問題や統計不正などリスクが多すぎる。指摘のようにリスクを下げた面はあるだろう」と賛同していた。
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