時効になった事件を“趣味”で捜査する男・霧山修一朗(オダギリジョー)が、名(迷)助手・三日月しずか(麻生久美子)と共に未解決事件を捜査するシュールな脱力系コメディーミステリー『時効警察』が、12年ぶりに復活。第3シリーズ『時効警察はじめました』が10月11日(金)よりスタート。さらに、その復活に先駆け、『時効警察・復活スペシャル』が9月29日(日)よる9時より放送される。
放送を記念し、AbemaTIMESではオダギリジョーと麻生久美子にインタビューを実施。今回は、麻生に自身のコメディエンヌとの才能を一気に開花させた大人気キャラ“三日月くん”に対する想いを聞いてきた。
「まさかツインテールやるとは」衣装合わせに緊張
ファン待望の今回の復活だが、一年半ほど前に一報を聞いた際、麻生は「きっとやらないだろうな」と思ったという。「何度か『もしかしたらやるかも』というお話があったんですけど、その度実現しなかったので、また今回もきっと話だけで消えるだろうと思っていました。結構ギリギリまで思ってました(笑)」と撮影直前まで半信半疑だったそうだ。
しかし、今回は噂話では終わらなかった。撮影までの準備として麻生は“三日月くん”仕様に髪を伸ばしたというが、「でもまさかツインテールやるとは思ってなかったので見るのが怖いです。12年経って、40代になってあの髪型はどうなんだろうって思います(笑)」とニヤニヤ。膝上丈の婦人警官の衣装にも緊張したそうで、「衣装合わせがすごく怖かった。絶対入んないだろうと思ったので、作ってもらいました(笑)」と照れ笑いを浮かべた。
先日のインタビューで、相方である“霧山くん”役のオダギリは12年ぶりに『時効警察』に戻ってきたと実感した瞬間として、麻生との再会・会話をあげている。同じ質問をしてみると、麻生も「オダギリさんとの会話です。最初は緊張というか、少し距離があったのかな。でも、割とすぐ前のように掛け合いできました」と全く同じ回答。12年経っても阿吽の呼吸だ。
三日月くんがバツイチに!衝撃設定に麻生久美子「霧山くん以外と結婚するんだ!?」
今回、視聴者を最も驚かすのは、霧山くんがなぜかFBIに出向している間に、三日月くんが結婚・離婚を経験、「バツイチ」になっていたことだろう。これについては麻生自身も「私も驚きました。え、霧山くん以外と結婚するんだ!?って(笑)」とびっくり。結婚相手について「刑事課のエース」という情報しか本編では明かされていないが、麻生は「よくそんな人捕まえれましたよね(笑)」と、客観的に意見。「お芝居してても自分が結婚していたなんてことは忘れて演じています。普通に霧山くんラブな感じで!」と、三日月くんは全く引きずっていない様子だ。
“大人らしさ”は意識しない 変わらず無邪気な三日月くん
それまでの“綺麗なお姉さん”のイメージからは一新。『時効警察』でコメディエンヌの才能を開花させた麻生だが、三日月くん役のスイッチはあるのだろうか。「三日月のキャラクターは三木さんが作ってくれた感じがあるんです。それがあるから、三日月だけ特別。他の作品でコメディをやらせていただいてもこんな風にはならない。自分でもなんて言ったらいいのかわからないんですけど、三日月だけスイッチが入るものはあるのかもしれないです。普段は台本のセリフ通りに言わないと気が済まないタイプですし、あまり表現しすぎないようにしています。ですが『時効警察』では、割と自由に思ったことを表現する。表情に出す。そういうことが一番自由にできる役です」。
霧山くんの捜査に付き合うものの、毎回ないがしろにされディナーも奢ってもらえず、一途な想いも伝わらず。劇中では残念キャラな匂いもさせていた三日月くんだが、結婚生活を経て変化はあったのか。麻生は「年齢を重ねたくらい。それ以外はあまり変わってない」とケロリ。12年前、20代の頃のテンションを引きずった演技をしているといい、「時々ちょっと今の芝居はこの年齢にはあってないんじゃないか、やりすぎたんじゃないかって後悔して、オダギリさんに相談しています。『ちょっとやりすぎたよね、今の』(麻生)『まぁまぁ、いいんじゃないの?』(オダギリ)って適当な感じでやってます(笑)」とオダギリとの仲のいいやりとりを教えてくれた。
「大人らしさを意識してしまうとキャラクターが崩壊してしまいそう。そこは三日月さんのまま突っ走っています」。バツイチになっても無邪気に霧山くんを追いかける、いい意味で“変わらない”三日月くんに期待だ。
テキスト:堤茜子
写真:You Ishii