中国で1日、建国70年を記念する軍事パレードが行われた。前日から厳戒態勢が敷かれる中、各国の脅威となりえる新型兵器が次々と公開された。
軍事パレード前日の午後6時、北京市内の大通りに面した商店は軒並み店を閉めていた。周辺には規制線が張られ、記者証を持っている記者に「取材をやめるように」と指摘が入るなど、いたるところに警備当局の関係者が配属される厳戒ムードだ。建国70年に合わせ、前例のない規模のパレードが行われるとされていた。
一方、朝の広場では軽快な曲に合わせて踊りを楽しむ市民の姿も見られるなど、パレード当日の朝は比較的平穏な様子だ。「今日はとてもうれしいです。団体での活動なんです。国慶節は国と一緒になって祝うべきもの」との声が聞かれる。
最大限の“祝賀ムード”が演出される中、現地時間の午前10時から軍事パレードと祝賀行事が始まった。パレードでは新型兵器の公開が噂されていたが、実際に公開されたいずれの兵器も対立するアメリカを強く牽制するものだった。
パレードの締めくくりに登場した、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「東風41」。アメリカのほぼ全土を射程に収め、核弾頭を最大で10個搭載できるとされている。
さらに一部の欧米メディアが速報で伝えるなど関心が集まったのは、極超音速滑空兵器を搭載する「東風17」だ。音速の5倍以上の速さを出し、弾道も変化させられる次世代の弾道ミサイルで、アメリカやロシアも開発を急いでいるとみられていたが、中国はすでに複数回の発射実験まで行ったとの報道もある。
このほか、初めての公開となる潜水艦発射弾道ミサイルや、各国が開発にしのぎを削る無人攻撃機なども披露された。
中国国防省は、今回のパレードに約580の車両や兵器、160機以上の航空機が参加し「過去最大規模」だったとしている。その規模もさることながら、軍事面で飛躍的に技術力を高めたことを強くアピールしたといえる。
(AbemaTV/『AbemaMorning』より)