9月2日にAbemaTV(アベマTV)で放送され好評を得た『ガチハヤリ選挙2019』。その延長戦が10月12日、放送された。今回は書籍にターゲットを絞り、GENERATIONSがこれからガチで流行ること間違いなしの“ガチハヤリBOOKS”を学ぶことに。
音楽芸人・グランジ遠山がプレゼンしたのは、『M~愛すべき人がいて~』(幻冬舎)。大ヒットソングを多数生んだ平成の歌姫・浜崎あゆみ(作中・あゆ)と、エイベックスの創業者である音楽プロデューサー・松浦勝人氏(作中・マサ)の2年間にわたる大恋愛をベースにしたストーリーが話題となり、すでに書籍として大ヒット。ドラマ化も決定した話題作だ。この小説を、著者・小松成美さんが解説。本にまつわる裏話や、浜崎の歌詞誕生のエピソードなどが明らかになった。
松浦氏への恋心を明かした結果、想いが通じ、恋人になれた浜崎。だが分刻みのスケジュールに追われる浜崎と、周囲から手腕を認められるようになり、多忙を極めた松浦氏の間には、徐々に溝が生まれることに。
この状況で書かれたのが、『Boys&Girls』(1999年7月14日発売)。小松さんは歌詞「一体どこへ向かうのとかって聞かれても答えなんて持ち合わせてないけどね」に注目し、「愛し合っている喜びの半面、いつも胸にある不安をアップテンポな曲に込めている」と説明した。
すれ違いの日々を過ごすある日、事件が起きる。浜崎が松浦氏の寝泊りしているマンションを訪れると、扉を開けて出迎えたのは、浜崎のまったく知らない女性。部屋の中ではモデル風の女性やスタッフらが酔っぱらってパーティーを開催しており、女の子にしなだれかかっている松浦氏の姿もあった。ショックを受けた浜崎は、なんとすべての仕事を放り投げて、2日間失踪してしまう。これが有名な「浜崎あゆみ失踪事件」の顛末なのだという。
その失踪先のホテルで生まれた曲が『appears』(1999年11月10日発売)。小松さんは「電話を受け、メッセージを受け……という歌詞はすべて松浦さんとの本当の描写」と言い、「浜崎さんが想いを泣きながら書いたもの」と秘話を明かした。松浦氏のパーティーやディスコ通いは、新人の発掘のためだったそう。女性関係の誤解は解けたものの、松浦氏は、浜崎への愛とプレッシャーが合わさり、酒に依存するように。そうした様々な要因が、浜崎に不安を抱かせる原因になっていった。
この頃、絶望の淵にいた浜崎。仕事にも影響が出るようになり、1999年の「ミュージックステーション スーパーライブ」では、生放送中にもかかわらず泣き出す場面も。浜崎はこの時の気持ちを「2人の間が壊れてしまうことの恐怖だった」と小松さんに明かしたそうだ。
『SEASONS』(2000年6月7日発売)では、悪化の一途を辿る恋の惨状が表現されている。小松さんは歌詞の「そんな日々が続いてく そう思っていたあの頃」の部分を「もう過去形になっているんですよね」と分析。136.7万枚を売り上げた大ヒットソングには、「今日がきっと楽しい、明日も……。そうやって日々仕事をし、マサのそばにいたのに」という、恋の終わりへの予感が込められていた。