『ファイナルファンタジー』を支える“音の職人”祖堅正慶さん、ゲームサウンドは「奥の深い世界」
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 日本を代表するロールプレイングゲーム『ファイナルファンタジー』。1987年に第1作が発売され、シリーズの累計売り上げ数は1億4700万本を記録している。

 世界的な人気を誇るゲームの「音楽」を生んでいるのが、サウンドディレクターの祖堅正慶(そけん・まさよし)さん。『ファイナルファンタジー14』のゲームサウンドを手がけている。2017年には「ビデオゲームで最も多くのオリジナルサウンドトラックを持つタイトル」として、ギネス世界記録に認定された。

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 AbemaTV『AbemaMorning』がその制作現場に潜入すると、デスクの上には様々な機材が並ぶ。「素人にはよくわからない画面が並んでいるんですけど…」と漏らす田中萌アナウンサーに祖堅さんは「こう見ると圧倒されちゃうんですけど、単純に重ねる音が多いからこう見えているだけで。小さい時の合唱・合奏とかと同じ理屈で音を重ねていくだけ」と説明。1曲を作るのにかかる期間は2~3日ほどだという。

 祖堅さんの作る音楽は、ゲームの楽曲だけではない。キャラクターの動きなどに合わせた「効果音」や自然界の音を再現する「環境音」など、すべてのゲームサウンドを手がけている。

 また、デジタル技術による音作りだけでなく、ギターなどの楽器を使った制作も行っている。中には、驚きの手法も。

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 「楽器だけじゃなく、生活で使っているようなものでも楽器にしたりするんです。この曲のバスドラムの音なんですけど、これは楽器じゃなくて“ゴミ箱の音”です」

 なんと、プラスチック製のゴミ箱を使い、人気キャラクター「チョコボ」がレースを行う時に流れる曲のリズムの音が生まれていた。

 今や、ゲームの音楽に欠かせない存在となった祖堅さん。その原点とも言えるのが“家族の存在”だ。父親がNHK交響楽団で主席も務めたトランペット奏者、母親がピアノとエレクトーンの先生という音楽一家で育った。

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 「両親が音楽系の仕事をしていたのでそっちに興味はあったんですけど、親に『その道(音楽)は食えない』『音楽の道を行くな』みたいなことも言われていた」と明かす祖堅さん。しかし、小さい頃から大好きだったゲームの存在が、人生を大きく変えた。

 「いろいろ調べ始めたら、実はゲームの世界にもサウンドの仕事があるとわかって。足音が鳴る仕組みとか、細かいことを1個1個全部作っていかなければならないというのが初めてわかった。意外とこれは奥の深い世界なんだなと気が付いたんですね。そこから興味がすごく湧いて、今に至ります」

 今では、プライベートの時間も気になる音が聴こえてくるとすぐに反応してしまうそうで、「例えばブランコのきしむ音って、作ろうと思っても難しいんですよ。そういう時に『ギー』と鳴っているとむちゃくちゃいい音しているなぁって録りに行ってしまう」という。

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 そんな祖堅さんは、今後の夢や目標について「最近プレイヤーさんが積極的にゲームサウンドを聴いてくれるようになってきて、オリジナルサウンドトラックを出すとオリコンでトップ3に入ったりするんです。やはりその期待に応えられるようなゲームサウンドを作りたいなと。ワクワクする音を届けられたらいいなと思っています」と語った。

(AbemaTV/『AbemaMorning』より)

動画:祖堅さんのゲームサウンドが流れるゲーム映像

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