来年に迫った東京五輪を巡って突如持ち上がった「マラソン開催地問題」に、お笑いタレントの千原ジュニアが言及。「東京駅の地下を走ったらええ」と冗談を交えながら持論を展開した。
先日カタールのドーハで行われた世界陸上。女子マラソンのスタート時の気温は32度、湿度が74%だった。猛暑の中でのレースによって、選手68人中28人がリタイアする厳しい結果となった。すると暑さによる選手への悪影響を懸念したIOCが、東京五輪のマラソン競技を北海道の札幌市で行うと発表。波紋が広がっている。
「開催都市の東京都に協議もなく札幌という提案が突如なされたことは大変疑問を感じざるを得ない」
東京都の小池百合子知事はそのように不快感を露わにしたが、実際には「オリンピック競技の会場決定はIOCと国際競技団体の間で取り決められる」というルールがあり、開催地や組織委員会が直接絡むことはないのが実態だ。
東京の夏が熱いのは昨日今日の話ではない。東京五輪の男女マラソンが行われる予定だった8月2日、9日の最高気温平均を過去10年さかのぼってみると、31.8度(気象庁データ)であることがわかる。
そのため東京都ではこれまで、様々な暑さ対策を打ち出してきた。その目玉の一つが、コース上の道路に施す遮熱性舗装で、じつに300億円以上の予算を投入し、まさに現在進行形で工事が行われている(20日時点で136km施工済み)。そんな最中での青天の霹靂だった。この決定には東京都はもちろん、都民からも「あまりに唐突すぎる」という声が上がっている。コースの一部となる靖国通り沿いでは、靖国通り商店街連合会が観客のためにミスト付きベンチを設置するなどしていたこともあって「怒り心頭だ」と加盟店の店主。浅草にある茶販売店の女性は「浅草の伝統的な街を世界に紹介できなくなってしまった。東京五輪なので、東京でやって欲しい」と本音を漏らした。
都民から東京都に対して17日、18日の2日間で寄せられた意見は223件にのぼり、そのうちの約6割が「マラソンの札幌変更に反対」だった。30日に都内で行われるIOC調整委員会で詳細を協議することになっているが、アスリートが最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整えたいと考えるIOCに対して、テレビ朝日の古武家記者は「東京都は都民への説明責任についても考えている」と指摘する。
この問題について20日にAbemaTVで放送された『Abema的にニュースショー』に出演したお笑いコンビ・TKOの木本武宏は「東京のオリンピックである前に、日本で開催されるオリンピックでもある」と賛成の意見を述べれば、ラグビー元日本代表の伊藤剛臣氏は「IOCは選手の体調を考えたと思うが、IOCには利益団体という側面もある。選手ファーストではなく、スポンサーファーストだったのではないか」と懐疑的な見方を示した。
一連の話を受けた千原ジュニアは「東京駅の地下広いから、あそこ走ったらええ。あそこは涼しいで」と話し、笑いを誘った。
▶映像:札幌移転に千原ジュニアが妙案!?
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