「有名になりたい」という気持ちで過激な動画をネットに投稿したり、インフルエンサーに憧れたりする若者が増えている。
SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV ※毎週土曜21時から放送中)では、『有名人という底なし沼』をテーマに、当事者らが体験を語った。
男装アイドルユニット「風男塾」の元メンバーの原田まりるさんは「笑わなくていいのが楽だった」とアイドル時代を振り返る。原田さんは現在、作家や哲学ナビゲーターとして活動。当時の芸能活動について「男装をしているときはブラックコーヒーしか飲みたくないとか、メンタルまでスイッチが入っていた」という。
もともと本を出版することが夢だった原田さんが、芸能界へと進んだのには理由があった。大学のゼミで教授に「将来研究者になって本を出したい」「大学院の推薦状を書いてほしい」と伝えたところ、「まっとうなルートで本を出すのは大変。変わった経歴があると出しやすい」とアドバイスをもらったという。アドバイスを受けた原田さんは、レースクイーンに挑戦。見事、2005年のレースクイーンオブザイヤーグランプリに選ばれた。
「風男塾」のメンバーになり、女性限定のハグ会に参加すると、原田さんを取り合うファンたちが独占欲を出すことや、ファンが付き合っている前提で話しかけてくることもあったという。「芸能界に入ってよかったと感じたことは?」と聞かれると原田さんは「ネットリテラシーに強くなった。プロモーションや広告がどうなっているのか知ることができた。常に男装をするので笑わなくていいのが楽だった」と話す。
原田さんの話を聞いた元アイドル歌手の本田理沙さんは、女性アイドルが笑わなくてはいけない現実に共感。2009年に覚せい剤所持の疑いで逮捕された女優・酒井法子さんが謝罪会見で最初に見せた“笑顔”に触れた。
「酒井法子さんが会見で笑っていたのがすごく印象的だった。職業病で、笑ってしまう気持ちが分かる。謝罪する場面で『不謹慎だ』って言われていましたが、注目されると意識していないのに口角があがってしまう」
「風男塾」脱退後、晴れて本を出版することになった前述の原田さんだが「ゴーストライターですか?」と聞かれるなど、なかなか周りに認めてもらえない期間もあった。しかし、文芸の賞をとってからは言われなくなり、「プロフィールは一新されたけど、ラジオに出るときは元アイドルと説明されることもある。本音は(今の仕事に)関係ないから言いたくない」と著者プロフィールにも「元アイドル」の経歴を消しているという。
(AbemaTV/「Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~」より)
(ライター:小林リズム)