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 EXILE HIROがエグゼクティブプロデューサーを務め、別所哲也(ショートショート フィルムフェスティバル & アジア代表)企画&プロデュースのもと、作詞家・小竹正人の詞の世界観を映像化する『CINEMA FIGHTERS project』の第三弾『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』が、いよいよ公開を迎える。

 本作は、作家性の高い監督による5篇のオムニバスで構成された。大地震によって巡り合う男女による『Beautiful』(EXILE AKIRA)、孤独に生きてきたヤクザと娼婦の物語『海風』(小林直己)、死と隣り合わせのメキシコ移民のサポートを経験する『On The Way』(今市隆二)、さらに、ゴーストのまま過去に戻り大切な人に会う『GHOSTING』(佐野玲於)、高校生の瑞々しい恋を活写した『魔女に焦がれて』(佐藤大樹)と、異なる趣きのタイトルが並ぶ。

 AbemaTIMESでは、『海風』に主演する小林直己、『On The Way』に主演する今市隆二に単独インタビューを実施。ふたりは「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」メンバーとして、よく知る間柄である。近い距離感だからこそ見えた互いの作品のポイントから、演技から通じるアーティストとしての側面まで語り合った。そして、八面六臂の活躍を見せる「三代目」は、デビューして来年で10周年を迎える。ステージを更新し続ける彼らの根源の想いは錆びつかないままで、いつまでも輝きを放っている。

初挑戦の演技について、山下健二郎から今市隆二にアドバイス…?

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――『CINEMA FIGHTERS project』に参加するにあたり、おふたりで話し合ったりはしましたか?

小林: 話し合いとかは特にしなかったです。隆二が初めての芝居ということで、楽屋で「頑張ってね」とか、「どうだった?」、「そんな感じなんだね」とかは聞いたりしていました。けど、普段から歌を通して思っていることや、歌の主人公を演じている彼を傍で見ていましたし、隆二は本当の言葉を言う人だと思うので、そこに関しては特に心配がなかったんです。上からの言い方のようですけど、すごく楽しみにしていました。

今市:そもそも松永監督に「演技レッスンは絶対に受けないできて」と言われていたので、直己さんやメンバーに聞くことも「どうなのかな」と思っていて。…でも健ちゃん(※山下健二郎)には1回聞きましたね。「演技の準備したいんだけど、監督にこう言われてる」って。健ちゃんは、「ええんちゃう?」みたいな返事で(笑)。

小林:(笑)。

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――前回のインタビューは、作品完成前のタイミングでした。今回はご覧になっていると思いますが、それぞれご自身の作品を振り返っていかがでしたか?

今市: 『On The Way』の初号試写では、最初は自分がスクリーンに出ているからちょっと不思議な気持ちで、しっかり観られなかったところもあったんですが、ちょうど昨日5篇全部を観たんです。すでに観ていただいた方からは、自分の演技について「ナチュラルだね」とおっしゃっていただいたんですが、昨日初めて「そうなのかな」と少し思えました。割と自然と受け止められたかもしれないです。(演技の)経験値が浅いのでもちろん思うところはありますし、何においても「よくしたい」という気持ちがあるので、分析はしてしまいました。

小林: 『海風』は大きな過去を持つふたりが出会って、隙間をお互いが埋め合うという話です。男女だけではない、大きな意味での愛の形だと思っています。行定監督は「思慕(しぼ)を表現している」とおっしゃっていましたし、「長編と短編の撮り方は全然違う。長編と逆のやり方をやろうと思っている」として、作っていかれたんです。だから、ドラマは必要なくて、感情を切り取っているということが納得できました。行定組という大きな船の上で、船頭を信頼して、自分は暴れたような感じです。

小林が今市の演技を表現「アクティングとシンガーをつなぐ旅」

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――それぞれ持ち味の異なる作品で、『海風』のエンドロールでは小林さんの映像の余韻が、『On The Way』では今市さんの歌声が、非常に心に残りました。

今市: 『海風』はエンドロールまで、すごくよかったです。直己さんの演じた蓮は、本当に直己さんにぴったりだなと思いました。他の方がやったら、こういう雰囲気にならないというか、直己さんが埋めているものを違うもので補わないといけない感覚があるくらい、ぴったりのはまり役だと思って観ていました。蓮はヤクザでつんけんしているけれど、過去にはお母さんに寄せる愛情があって…、親の偉大さ、反対に子供の偉大さから人間の本質を受け取り、すごく色々なことを考えさせられた。素晴らしい作品でした。

小林: ありがとう。『その瞬間、僕は泣きたくなった』は人間同士のやり取りの中で紡がれている5篇の物語だと思うので、それぞれの役者の人間力が大きく影響していると思っています。だから『On The Way』で隆二が持つ人間性もそうだと思うんです。歌と芝居は違うものですけど、歌を通して隆二が人生で届けたいメッセージや、社会に対して叫びたいことを、松永監督が掬い上げて映画の中で表現したように思えました。そういう意味で、すごくナチュラルでしたし、隆二にしか作れない健太だったんじゃないかなと思います。想像を上回るような作品になっていて……これさ、観る人のハードルが上がっちゃうね(笑)?

今市: (笑)。

小林: でも絶対に観てほしいです。普段のアーティストの彼を知っていれば知っているほど、カウンターでふり幅があるなと思うので。健太のセリフで、「中途半端にやるくらいなら、最初からやらないほうがいい」というのがすごく好きで。すごく本音だし、隆二の言葉で聞こえたときに、一番自分に対しての疑問なわけだよね。自分の人生に対して役柄で疑問を突きつけられるんです。健太は失敗もして乗り越えて、見つけていくわけじゃないですか。その旅こそが、今市隆二のアクティングとシンガーをつなぐ旅だったと思います。

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――今市さんの手掛けた主題歌「Church by the sea」については、小林さんはどのような印象を持たれましたか?

小林: その関係性こそが、『CINEMA FIGHTERS project』の醍醐味だと思っています。この物語も、もともと詞があったところに松永監督がストーリーを生み出して、小竹さんと松永監督、シンガーとしての隆二のコラボレーションをすることで、立体的なプロジェクトになっているので、改めて面白いなと感じます。エンディングであの曲が流れたときに、「そういうことか」と思いましたし。逆に、その後に生み出す曲は、どういう曲が生まれるんだろうと。彼自身がシンガーだからこそ、映画のスピンオフを曲で作るようなことも可能なのか、と思ったりしました。

今市: 確かに。

小林: 『On The Way』という曲名ではなくても、今作っている曲の中のどこかで散りばめられているかもしれないし、本当にいいプロジェクトだなと思いました。アーティストならではなのかもしれないです。

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今市: 直己さんの言っている通りだと思います。自分はメキシコに初めて行って、監督と一緒に作品を作って…、全ての時間が本当に財産だったんです。メキシコの現状も知ることができましたし、直接、移民の方と話もできました、考えさせられることが多かったです。アーティストは直接何かができるわけではないかも知れませんが、自分たちがやるべきことはエンターテインメントや歌、ダンスを通して表現すること、自分たちにしかできないものが確実にあるので。その思いを背負うわけではないですが、自分の中に取り入れながら、この先も曲作りをするだろうし、歌を歌っていくんだと思います。本当にいい経験をさせてもらいました。

10周年を迎える三代目、『LDH PERFECT YEAR 2020』に向けての想い

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――おふたりの近況についても少しお聞かせください。個々の活動が活発になっているので集まる機会は少ないかもしれないですが、たまにごはんに行ったりなどの息抜きもできていますか?

今市: メンバー7人だけで前はカラオケに行ったりもしていたんですけど、最近は本当に個人活動が多いので、7人では集まれないですね。直己さん、うまいんですよ!一緒にカラオケに行くとデュエットをしたりとか。

小林: 歌、好きなんです。

今市: 元々ストリートミュージシャンなので、ギターも弾かれますし。

小林: 好きな音楽のタイプが、そうなんです。ミュージカルとかも、やってみたいなと思います。

今市: 直己さんのミュージカル、観てみたいです。

小林: 自分にとってのダンスは、言葉にならない想いを表現するのにぴったりくるものなんです。芝居はその延長戦上にあるので、これからもっともっと芝居を本格的にやっていきたいと思っています。やればやるほどダンスにおいても、作るものも変わってくるだろうと。

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――小林さんに関しては、リドリー・スコットが製作総指揮を務めるNetflixオリジナル映画『アースクエイクバード』(11月15日全世界同時配信)も控えています。

小林: 『アースクエイクバード』に出演することも、自分の視点をすごく広げてもらいました。主演のアリシア・ヴィキャンデルさんはアカデミー賞助演女優賞を受賞している女優さんですし、ウォッシュ・ウェストモアランド監督も世界で素晴らしい映画を撮っている方なので、自分の新たな可能性を引き出していただけたことは大きかったです。これからどんどん芝居にも本腰を入れてやっていきたいと思っています。

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――来年は『LDH PERFECT YEAR 2020』も開催されます。グループやソロとしての活動も、より一層濃くなっていきそうですか?

今市: LDH PERFECT YEAR』自体は、6年に一度のお祭りで、来年が今までやってきたものの中で一番最大規模です。自分と臣(※登坂広臣)もソロのツアーがあったりするので、すごく盛り上がるだろうなと自分たち自身がワクワクしています。あと、来年、三代目は10周年でもあるんで、かなりスペシャルな年になると思っています。

小林: 『LDH PERFECT YEAR 2020』では、エンターテインメントだからこそできる社会貢献というか、皆さんにポジティブになっていただけるように、僕らが皆さんにいつも支えてもらっている分、返すことができればと思います。

――9年前、今日(こんにち)のようになることを、ちょっとは予想していましたか?

今市: …まったくですね。レコ大を獲ることも、紅白に出ることも、アリーナツアーも、ドームツアーも…物理的にもちろん夢は叶ってはきているんですけど、夢を叶えると、すぐに次の夢が見えてきたりするんです。周りの環境は変わっていますけど、「夢を叶える」と思っている気持ち自体は、俺はあの頃から変わっていないです。

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『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』は11月8日より公開

取材・文:赤山恭子
写真:You Ishii

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