11月11日に東京・渋谷TOEIにて、映画『カツベン!』(12月13日より全国公開)より活動弁士の面白さをより身近に感じていただくためのイベント“弁士サミット”が行われ、お笑い芸人の銀シャリが特別ゲストとして参加し、活弁に初挑戦。イベントにはその他、現役の活動弁士として活動する澤登翠、山崎バニラ、片岡一郎、坂本頼光が登壇しており、銀シャリを含めた5組が、映画のメイキング映像を使用したサイレント映像の活弁を披露した。

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 MCより活弁というものを知っていたかについて聞かれると橋本は、「元々京都国際映画祭で少し知識はあったつもりでした」と回答。一方、鰻は、「カツベン!なんて美味しそうな弁当のことかと思いましたわ!」と答え、会場を笑わせた。また、「普段漫才はやっているけど、映像を見て言うことなんてないですから!でも今日はNEWスターが生まれるかもしれませんよ!」と言いつつ、「緊張はしてないですが、震えていますね。武者震いでしょうか?(笑)」などと緊張感に冗談を交えながら会場を和ませた。また現役活動弁士の第一人者、澤登翠は「映像がまだモノクロで音がついていなかった時代、今でいう映画は「活動写真」と呼ばれ、それ自体を体感できました。今日は新しい映画体験として持って帰ってください」と活弁の魅力について述べた。声優としても活躍する活動弁士の山崎バニラは「弁士がそれぞれ台本を書きます。だから人によって映画の雰囲気もガラっと変わります。これがまた魅力です。声優はいただいたセリフを話すのですが、活弁の経験からここ、こうしたらどうですか?などと口を出してしまい、嫌な声優になっていると思います(笑)」と話し、しゃべる仕事について語った。

 そして主演・成田凌に活弁の指導をした坂本頼光は「成田さんは稽古熱心だったので、すぐに自分の語りをつかんで、何も言うことなくて。親はなくとも子は育つとはこのことですね。永瀬さんも稽古時間が短かったのに、成田さんの師匠役を見事に務めました!」と話し、キャストを讃えた。そしてライバル弁士の高良健吾を指導した片岡一郎は、「練習に行くのが憂鬱でした。自分が5年かかったものを高良さんは5分で覚えてしまう。次は何を教えればいいかわからなかったです」といい、高良の弁士ぶりを大絶賛。続けて片岡は、「森田甘路さんは舞台で活躍されている方なので、声が出来上がっていたし、茶目っ気がある人ですごくよかった!あと、ヘタクソな弁士役の人にも活弁も教えましたよ!(笑)楽しみにしててください」と映画でのキャスト陣が披露する活弁に期待感を漂わせた。

 活弁を披露するにあたり意気込みを聞かれると鰻は、「自信あります。まぁ僕らもチャンピオンですからね!」と言いつつ、橋本は「めちゃめちゃタバコの量増えてましたけどね!」とツッコみを入れ、「言わんといてや。でもね、仕上がってます!楽しみにしていてください!」と自信を覗かせた。

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 そして、映画『カツベン!』で成田演じる俊太郎と黒島演じる梅子が久々に再開するシーンのメイキング映像を元にした、5組による活弁がスタート。1番手は大正琴とピアノを引き語るスタイルの山崎バニラ。黒・黒島結菜という架空の人物を作りあげ、梅子が腹黒い女性の設定で面白おかしく活弁し、終盤には『カツベン!』エンディング曲の原曲『東京節』も披露した。2番手は坂本頼光。成田と黒島の会話の中に自身を登場させ、「けったいな人だったね、肝心な時にいない。今日も小岩で営業らしいで?闇営業かな?」と最後に会場を笑いの渦に巻き込んだ。3番手は片岡一郎。映像の中にある動き全てを物語に吹き込み、メイキング映像を学生のデート途中に仕立てた見事な活弁を披露した。4組目は現役活動弁士の第一人者澤登翠。周防監督をカツ・ベン先生と設定し、愛らしい姿などと表現し、会場を圧倒させた。最後には「周防監督、怒らないでくださいね!」と謝りを入れ、会場を笑わせた。最後は満を持して銀シャリが活弁。鰻が活弁を始めるが、なんと「この現場は寒い」という気温の話の一点張り。小声で橋本もツッコミを入れ続けるも「ひたすら気温の話とカイロの宣伝でしたね」と自虐して終了。しかし鰻は「感触はなかったですけど、活弁は本当に気持ちよかったです!出演している方々は僕よりも上手だと思うので、映画館で素晴らしい活弁を見てください!」と最後までしっかりアピールした。また澤登翠は最後に「1つの活動写真でも色んな顔が見れていいですよね!是非、カツベン!も劇場でご覧ください」と話し、弁士サミットの幕は閉じた。

(c)2019 「カツベン!」製作委員会

潤一 ディレクターズカット版
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