(▲「ねとらぼ Girls Side」の編集長を務める青柳美帆子さん)
男性同士の恋愛を描くボーイズラブ作品(以下、BL)に対して、嫌悪感を抱く人もいる。BL作品を嗜むファンもそれを理解し、節度を守って活動を行っているが、『おっさんずラブ』『きのう何食べた?』といったドラマ作品のヒットから、近年はエンタメ業界で「“BLブーム”が起きている」という見方もある。
BLというジャンルについて、実際に活動するファンたちは今後の展望をどのように考えているのだろうか。
SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』(AbemaTV ※毎週土曜21時から放送中)の今回のテーマは『ボーイズラブという脳内麻薬』。男性同士が愛し合うストーリー、BLをこよなく愛する7名の“腐女子”をゲストに呼び、その魅惑の世界について語り合った。
ニュースサイト「ねとらぼ」の女性向けチャンネル「ねとらぼ Girls Side」の編集長を務める青柳美帆子さんは、TSUTAYAが行った統計結果(調査対象/全国の18~69歳の男女1500名 ※2018年10月発表)に触れ、「遺伝子レベルで20%ほどの人はもともと(BLを)好きなのでは?」とコメント。
いずれのゲストもBLとの偶然の出会いを経てから、ごく自然とそのジャンルに慣れ親しむようになったという。青柳さんは、BLを好むことは「恋愛好きというよりも、スポーツやゲームが好きに近い感覚」だという。
しかし、同じ作品でも受けと攻め(愛情を受ける側と与える側)の解釈が違う“逆カップリング”(逆カプ)であった場合「作品ファン同士であっても話が合わない」という現象が生まれる。「カップリングの解釈が一致したら意気投合するが、そうでなかったら徐々に距離を置く文化」に番組MCのSHELLYも困惑気味だ。そのようなBLファンの事情を察してか、青柳さんは「この番組は右端に『諸説あり』『個人の感想です』って書いておいてほしい」と述べる。
(▲番組MCのSHELLY)
「今後もBLブームは続くと思う?」というSHELLYの質問に対して、ゲストたちは「いやー……」と沈黙。まきおさんは「『隠れて楽しむのがいいんだよ』という人が本当にいる」と話す。BL好きアイドル・鳴島有菜さんは中学生時代に同級生の女子からBL作品を「気持ち悪い」と言われたことを挙げ、「(BL好きを)昔よりは言いやすくなっているとは思いますが、好きなものを『嫌いだ』と言われたら、いい気分ではない。目立ちたくないなって気持ちもあります」と答えた。
アラサー女性向け情報サイト「ウートピ」の編集長である鈴木円香さんはゲストらの意見を受け「『日陰にあったものが日向に出ることはいいこと』って単純に思ってしまう人もいるけれど『忍びながら見るもの、それがBLなんだから』って思う人がいるのは、それはそれでいいのでは?」と肯定。鈴木さんの話も踏まえ、SHELLYは「BLは(日向に出すのではなく)『むしろ蓋をしてほしい』みたいな人もいっぱいるんですね」と理解したようだ。
番組を通してSHELLYは「(最初は)皆さんが話しづらそうにしていたのが不思議だったけれど、その理由が見えてきた気がする」と納得。「勇気を出して話してくれてありがとうございました。これからもBL愛をどんどん追求して、楽しんでください」と、番組を締めくくった。
(AbemaTV/「Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~」より)