「何が問題か、さっぱりわからない。政治外交にレセプションは欠かせない」桜を見る会問題に前産経政治部長・石橋文登氏
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 20日、通算在職日数が憲政史上最長となった安倍総理。しかし、感慨に浸る暇もなく、「桜を見る会」をめぐる疑念の払拭に追われている。

 地元支援者の招待について安倍総理は「取りまとめプロセスには一切関与していない」としていたものの、同日の参議院本会議で「事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と説明。さらに菅官房長官は今年の招待客の推薦枠に関し、自民党が6000人、安倍総理が1000人だったと明らかにした。さらに「安倍事務所において幅広く参加希望を募る過程で(昭恵)夫人からの推薦もあった」と、昭恵夫人も招待客の推薦をしていたことを認めた。

 さらに「前夜祭」の会費5000円が安すぎるという指摘に安倍総理は「大多数が(同会場の)ホテル宿泊者という事情を踏まえホテル側が設定した価格」と説明してきたが、宿泊先とは別会場で前夜祭を行った2015年も会費が5000円だったことが分かり、「会場となったホテルとの交渉で、会費5000円の価格設定は維持」と釈明した。

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 前産経新聞政治部長で政治ジャーナリストの石橋文登氏は「僕は正直、桜を見る会の何が問題かさっぱりわからない」と話す。

 「“こんな行事に政府が予算を使うのか”と言うけれど、政治外交にレセプションは欠かせない。市井の人にまで広げて人脈を作る唯一の機会が桜を見る会だ。それを自由参加にしてしまえば、“安倍政治を許さない”といったプラカードを掲げたり、“安倍帰れ”コールをする人が出てきたりして興ざめになる可能性もある。そう考えると、やはり一般人については議員推薦しか枠組みはないと思う。そんなの止めてしまえとなったら、政治家、海外の要人、財界、官僚、文化人、経営者など、それこそ“特権階級”だけのレセプションになってしまう。ここまで騒ぎが引っ張られると、呼ばれていた文化人が欠席し出し、“誰々もやめたらしい”という情報がどんどん広まってしまう。それが来年分を中止にした最大の理由だ」。

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 一方、今春の「桜を見る会」に参加したお笑い芸人のパックンは「桜を見てお酒を飲んでみんなでワイワイしよう、それでいいと思う。僕は呼ばれたら、また行く。アメリカなど海外の同様のイベントに比べて規模がとても小さいのにここまで騒いでいて、ちょっとかわいいなと思ってしまったし、日本はクリーンさにすごくこだわっていて良い国だと思う。ただ、問題は直すべき。石橋さんは野党のツッコミの意味が本当にわからないのだろうか。結局、衆院選で7割以上の議席を獲得している自民党も、実際は3~4割程度の獲得票しかない。ということは、税金を払っている6割の方は自民党には票を入れていないということだ。もちろんレセプションは大事だが、自分の支持者以外も呼ぶべきではないだろうか。例えば議席に応じて、議員1人あたり何名、という招待枠を作ってもいいのではないか」と問題提起。

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 ジャーナリストの堀潤氏も「会の趣旨に立ち返った時、やはりプロパガンダと言われてもしょうがない。もし本当に興ざめではない状況にするなら“安倍総理やるね。反対派も呼んで桜を見ながらディスカッションするんだ”“市民に開かれた議会をここでやるんだ。よくやった。だったら税金使おう”であればいいが、そうではない。今のままでは安倍総理に近い方々や政権からリクエストがあった方々をおもてなしして、自分たちの姿勢を打ち出すという一つのショーだ。資料は廃棄している、証言が食い違う、報じられているホテル側との昔からの慣習的な取引などを見ていると、政治とカネで腐敗した旧来型のものから変わっていないんだなと実感させられる。国費を投入するには不適切だと思うし、政府が実施するのであれば、党派を超えてやるべきだし、2万歩くらい譲って今のまま開催するなら、どういう基準で、どういう会計で、どういった人たちが関わったのか、その情報公開をすべきだ」と訴えた。

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 こうした点について、石橋氏は「政治とカネの問題ではない。確かに人数や経費は増えているが、ほとんどセキュリティの経費だ。パックンさんもご存知だと思うが、芸能人のエリアには食べ物はほとんど無いだろう。そもそも70年前からずっとそうで、安倍政権だけが支持者を呼んだということではない。民主党政権の時は民主党の支持者を優先していた。今後は検討されるかもしれないが、基本的にレセプションとはそういうものではないか」と反論。

 「昭恵夫人というだけでターゲットになっているが、かわいそうだ。どの政治家でも、地元の後援会は奥さんの影響力が大きい。多分、これで責められないと思ったから、今度は前夜祭を問題にしているんだと思う。実は僕も前夜祭に顔を出したことがあるが、本当にしょぼい。スパゲッティや焼きそば、唐揚げなどが少しあるだけだ。それでもなぜ参加者が毎回行くのかといえば、総理と写真を撮りたいからだ。そして終わった後は皆で赤坂などに飯を食べに行く。むしろ5000円は高いのではないか。もともと前九年の役で敗れた安倍貞任の弟の宗任が九州に流され、松浦水軍の婿養子になり、その子孫が源平合戦で平家に付き、こちらも敗けて下関に落ち延びた。そこで平家を名乗れば追討されるということで、安倍という旧姓に戻した。これが安倍総理の先祖と言われている。講演会は、そのご家来衆。だから何万円も払って東京に行く。そういう独特な後援会だ。手弁当で地方から来ているのに、“そんなやつは来るな”と言うのは、それこそ特権階級意識だ」。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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