30日深夜、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(AbemaTV)が放送され、東電の原発事故賠償の「グレー」な実情が語られた。

賠償金で黒字に転換?元東電社員が明かす原発賠償金の“不都合な真実”にカンニング竹山が迫る
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 番組では、現在も続いている原発事故に対する賠償金詐欺の実情について、元東京電力の社員で「賠償係」にいたという岩崎氏(仮名)と、この問題を扱った書籍『黒い賠償』(彩図社)の著者・高木瑞穂氏をゲストに招き、話を聞いた。

 高木氏は、東電の賠償金問題については「不可解な賠償金」の支払いがあったと示した。具体例として「小さな薬局屋から『ダメになった在庫1000万円を賠償してくれ』との要求があった」とあげ、これについて竹山が説明を求めると岩崎氏が回答をした。この要求をした人物は、避難区域30キロ圏内で強制非難を強いられた人物だという。営業の損害分については別に請求があったが「その他」の項目に「薬の在庫ということで、1千万円以上を賠償してくれ」といった内容が書かれていたそう。最終的には東電が「払う」という方針になったため、岩崎氏は「恐らくお支払いをしている」と、1000万以上を支払ったのではないかと顛末を語った。

 竹山は「強制避難の区域だから(これから)薬局が営業できなくなっちゃったとこでしょ?」「避難区域に指定されなかったとして、果たしてこの薬局が月いくら儲かってたんだって話でもあるし」と、複雑な事情が絡んでいるコメント。

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 他にも、「賠償金によって経営が黒字化したホテル」もあると語った岩崎氏。そのホテルは震災前から常に赤字経営だったとのことだが、賠償金の3億円を東電が支払ったところ、「ホテルが黒字化した」という報道が支払い後にされたそう。「(そのホテルは)ずっと赤字だったってことですよね? そもそも3億円も賠償金が必要だったのかって疑問点がでてくる」「でも、(原発事故のせいで)ホテルからすると、お客が来なくなったってのは事実だろうし…」と、竹山も頭を悩ませた。

 さらには、賠償金支払いの要件を満たしていないのにも関わらず、賠償金が支払われたケースもあるという。岩崎氏によると、山梨に本社があるとある企業から賠償金の請求が届いていたが、支払い要件を満たしていないので保留にしていた際、山梨エリアを管轄する“偉い人”から「この企業は山梨県の中でも大切な企業なので、なんとか賠償金を支払えないか」という口利きがあったとのことで、簡易的な手続きで賠償金を支払うまでに至ったという。

 これらの話を聞いた竹山は「そのへんが(賠償金問題の)問題点ってことですよね」と、“賠償金問題”の実態に沈痛な表情を見せていた。

▶動画:カンニング竹山の土曜The NIGHT#84~元賠償係が明かす東電賠償金の闇~

元賠償係が明かす東電賠償金の闇
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