現在、教育系YouTuberとして活躍するオリエンタルラジオ・中田敦彦の勢いが止まらない。慶應義塾大学卒のインテリな頭脳を活かし、中田が開設したYouTubeチャンネル『中田敦彦のYouTube大学』は開始約5カ月で登録者数100万人を突破した(※2019年12月9日現在、登録者数は非公開)。
また、12月11日と18日にテレビ朝日系で放送される(※一部地域を除く)特別番組『中田敦彦のSTAND UP STUDY』ではMCを務め、各ジャンルで活躍するイノベーターと徹底議論を展開。YouTubeでも人気を集めている中田だが、ゲストと共にどのようなプレゼンを行うのか、注目が集まっている。
『中田敦彦のSTAND UP STUDY』では、さまざまなジャンルで活躍するイノベーターが1名登場。回ごとに人生に役立つ“旬なテーマ”を選定し、中田とゲストが、それぞれの視点からプレゼンテーションを展開する。地上波放送直後からは完全オリジナル企画を含めAbemaビデオでも配信される。
11日の放送では、300万人のチャンネル登録者数を抱えるYouTuber・ヒカルをゲストに迎え、SNSでの炎上やネット上での批判、過剰攻撃など、息苦しさを感じる昨今の世の中を生き抜くために必要な“突破力”をテーマにプレゼン。ヒカルがYouTuberになるまでの経緯や、これまでに手掛けたビジネスなど、実体験をから得た教訓が明かされる。
また、18日の放送回では、話題のリアリティーショー『バチェラー・ジャパン』に出演した経験を持つ初代バチェラー・久保裕丈がゲストに登場。“捨てる力”をテーマに、物だけでなく、人間関係や環境、地位や名声など、自分を高めるために必要なものを“捨てる”人生の選択についてプレゼンする。番組ではまさに“捨てる”をテーマに、会社を起業した久保ならではのプレゼンが見られる。
今回、AbemaTIMESでは圧倒的プレゼン力を誇るMC・中田にインタビューを敢行。教育系YouTuberとして新たな革命を起こしている中田の“今”に迫った。
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――今回、ヒカルさん、久保さんとプレゼンをやってみていかがでしたか?
中田敦彦(以下、中田):ヒカルさんと久保さんとは今日初めて番組でご一緒して、昨日あたりから緊張で1日中ソワソワしていました(笑)。今日も番組が始まる直前まで何も手に付かない状態で「どうなっちゃうんだろう」って焦っていましたが、僕も「この番組は絶対に成功させたい!」っていう強い思いがあって。
今までいろいろなメディアに出演させていただきましたが、出演者が2人しかいなくてシンプルにプレゼンだけで完結する番組は初めての体験です。やってみて「想定内のレベルをクリアできた」というよりも、今日は「想定外の体験を得られたな」という感想です。
――現在、中田さんは芸人としてだけでなく、教育系YouTuberとしても活躍されています。YouTubeを始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
中田:僕は長年「テレビの中だけで自分のやりたいことができているのだろうか?」という悩みとずっと葛藤していたんです。自分のやりたいことができる場所を見つようと模索し続けて、最終的に辿り着いたのがYouTubeだったんです。
でも、この答えを見つけるまでに何年も彷徨って。彷徨っている中で先にYouTubeを始めていたカジサック(梶原雄太)さんから「教育系YouTuberやったらええんちゃうの?」と助言をもらって、実際に始めてみることになりました。
■ 中田敦彦「僕はただのド変態」原動力は“発信欲” 相方・藤森慎吾とは「やりたいことを応援し合う仲」
――YouTubeでは、毎日21時に動画をアップし続けていらっしゃいます。中田さんのようにモチベーションを上手に保つ秘訣を教えてください。
中田:僕はモチベーションが高い人間ではないんです。ただのド変態なんです(笑)。変態って異常なくらい何かに執着するじゃないですか? これを集めたい、もっと深く知りたい……って。僕もそういう変態の1人で「世の中に発信したい!」という欲に、取り憑かれているだけなんです。
だから僕は決してモチベーションが高い高尚な人間じゃなくて、本当にただの変態でしかないし、ロクなもんじゃないですよ(笑)。
――自身の“発信欲”が原動力になっているんですね。相方の藤森慎吾さんは、中田さんがYouTuberデビューをすると告げた際、どのようなリアクションだったのでしょうか。
中田:特に何も言ってなかったです。お互い15年も一緒にやっていると、進みたい方向性に変化が生まれてくるんです。彼(藤森)はいろいろな才能があってMCや歌、演技とマルチに何でもできるし、おまけに“チャラ男”として華もある。今はお互い、それぞれがやりたいことを応援し合っている仲ですね。レギュラーのラジオ番組ではコンビで出ているので、そこで顔は合わせますね。
(▲「中田敦彦のSTAND UP STUDY」収録風景)
――とてもいい関係性ですね。「中田敦彦のYouTube大学」では、藤森さんが米津玄師さんの『Lemon』を歌っている動画も人気ですが、今後もゲスト出演の可能性はありますか?
中田:あると思いますよ。今、オリエンタルラジオのYouTubeチャンネルを別で作ろうかと考えています。相方にやりたいことがあれば聞きますが、もしなさそうならもう1回米津さんを歌ってもらいましょう(笑)。
本当に米津さんの力はすごい。相方が『Lemon』を歌っている動画は、相方がすごいというよりも、米津さんがすごい。次は振りつけ付きで『パプリカ』(※米津玄師の作詞・作曲、プロデュースによる小中学生の音楽ユニット「Foorin」の楽曲)がいいかな? 歌うことで相方にメリットがあるかどうかは分からないです(笑)。
――藤森さんが歌う『パプリカ』、楽しみです。今後、他にYouTubeでコラボレーションしたい方はいますか?
中田:僕、YouTubeを始める際にDaiGoさんの動画をすごく参考にしていたんです。最近、運良くDaiGoさんご本人と会う機会があって、そのときに「一緒に何かやれたらいいね」みたいな話をしたんです。なので、DaiGoさんとの共演は近いうちにやりたいです。
――最後に、仕事をする上で大切にしているマイルールを教えてください。
中田:嘘をつかないこと。あとは、お金で仕事を受けない。最近の大きな決断だと、企業のCM関連のお仕事はあまりやらないようになりました。正直な話、CMなど何か企業を紹介するような仕事って実入り的には1番いいんです。でも、今は、自分の発信する“言葉の重み”をすごく考えるようになって。
たとえば、誰かに頼まれて人気のYouTuberさんが「この本面白いです!」って紹介すると、その本が売れますよね。ただ、僕がそれをやってしまうと、僕が発信する“言葉の信頼度”が下がってしまうと思うんです。大切なことは、自分の考えを素直に言える環境にいること。そういう環境にいるために、経済基盤を固めることも大事です。
(Text:近藤加奈子)