話題となったビジネス小説「破天荒フェニックス」が実写化、テレビ朝日系にて新春1月3日より3夜連続で放送される。誰もが口を揃えて「倒産する」と断言した大赤字のメガネチェーンを買収した一人の若者が、仲間と力を合わせて絶体絶命のピンチを乗り越える、実話を基にした、現代のサクセスストーリーを描いた作品だ。
破天荒な社長・田村雄司を演じるのは、シリアスからコミカルまで幅広い演技力であらゆる役をこなす勝地涼。そして社長の相棒で、財務会計のプロ・奥田吉弘を演じるのは伊藤淳史と、実力派俳優が名を連ねる本作。そのなかで、社長の弟分的存在の社員・松尾秀和を演じるのが、2010年にデビューし来年で俳優生活10周年を迎える俳優の稲葉友だ。10周年の幕開けにふさわしい作品となった今回のドラマ、「チームでひとつになって作り上げました」と自信をのぞかせる稲葉に、話をきいた。
先輩だけど現場ではあっくん!「伊藤さんが“あっくん”って呼んでって」
――改めてどんな現場でしたか?
稲葉: すごく楽しい現場でした。(勝地)涼さんとあっくん(伊藤淳史)がもう面白くて。実は伊藤さんのこと、「あっくん」と呼ばせていただいているんです。最初に現場でみんなで「何て呼ぶ?」って話になり、伊藤さん自ら「オレ、“あっくん”って呼んでよ」って言ってくれて。こっちからすると大先輩だから「“あっくん”でいいの?」みたいな(笑)。それから、みんな“あっくん”って呼ぶことになりました。
涼さんは、すごくコミカルな方でおもしろくて、尊敬する先輩です。涼さんもあっくんも2人とも頼りがいのある方で、本当に楽しい現場でいろいろと助けられました。
――勝地さんがNGを出しても「ギスギスしないようにしよう」とみんなに伝えていたと仰っていましたが。
稲葉: そうなんです。今回、涼さんとあっくんのセリフが抜群に多いんですよ。 あまりに多いし難しい言葉もたくさん入っているので、初日からみんなに「台詞を合わせられるところは合わせよう」と声をかけていただいて、みんなでよく合わせていました。みんなも台詞が多い怖さを理解しているので、それこそ先に涼くんが「ギスギスしないようにしよう!」と言ってくれて、安心しました。
常に動き出す―そんな当たり前のことを気づかされた作品
――原作はビジネス書として人気を博している作品ですが、台本を読まれての感想は?
稲葉: 実話を基にしたドラマなので、読んで驚くことが多かったです。何度も「本当に?」って思いました。でも主人公が常に新しいことに進み続けていて、その姿勢が本当にすごいなと感じました。何かに向かって「進む」「動く」ということは、人が関わっていて、人が動いて、自分も動かされて…そんな当たり前のことに気づかされました。僕も人生のなかで、そういう部分は常に持っていたいなと思います。
そもそも先に向かって「動き出す」こと自体が本当に大事なことで、先陣切って動き出すのはなかなか難しいことだし、でもそれをやり遂げたときの喜びとか、人に喜んでもらえたときの幸せな気持ちとか。自分が必死でやったことに誰かが喜んでくれるというのは、めちゃくちゃいいことだと思うんです。そういうシンプルな喜びを教えてくれました。
放送が年明けで正月休みのときに会社の話とか嫌だなと思う人もいるかもしれませんが(笑)、仕事が初まるまでの、エネルギーを保管するときに見てもらえると、よいスタートを切れるんじゃないかなと思います。もちろん仕事をしている人だけじゃない、人間生活を送っているすべての人へ、観てもらいたいです。
――稲葉さんにとって「破天荒」という言葉はどういうイメージを持ちますか?
稲葉: 思い立ったら即行動できる人、というイメージがあります。スピード感があって、さらに問題を解決できるまでに辿る順序が他の人と違う人。思いついてから結果に至るまでに、他の人と全然違う思考回路を持っている人って結構いるんですよ。僕の周りにも多くて、「そんなこという?」「そんな思いつきある?」って(笑)。 もちろんすぐ動いてしまうタイプの人間だから成功も失敗もするだろうけど、とにかくただ暴れてるだけの人じゃない、スピード感がある人は「破天荒」なイメージがありますね。
新春3夜連続ドラマ『破天荒フェニックス』は2020年1月3日(金)よる11:15~「第1夜」、1月4日(土)よる11:15~「第2夜」、1月5日(日)よる11:10~「第3夜」 テレビ朝日系にて放送(一部地域を除く)
取材・テキスト:編集部
撮影:Mayuko Yamaguchi