(※画像出典:AbemaTV『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』より)
来日中の外国人技能実習生の数は10年前に比べて3倍以上に増え、全国に約32万人が在留している(平成30年末/法務省調べ)。しかし、日本の外国人技能実習制度は、海外では「最悪なインターンシップ」と批判されているという。他国から「奴隷制度」と言われかねない状況に、国は今後どのような対策を行うのだろうか。
SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV ※毎週土曜21時から放送中)は、『外国人技能実習生がミタ地獄』が今回のテーマ。外国人技能実習生として来日した外国人をゲストに呼び、彼女らが日本で直面した厳しい現実を明らかにしていく。
(▲弁護士・加藤桂子さん)
「技能実習制度は技術を学べる研修制度というよりも、それぞれの母国で『割のいい出稼ぎ』のひとつとして募集されていることが多い。農業や漁業は人気がない。労働条件が明確に規定されている工場を希望する外国人が多い」(弁護士・加藤桂子さん)
技能実習生として縫製工場で働いていた中国出身の張さんと郭さん(※いずれも仮名)は、大声で怒鳴られたり、目の前にある箱を蹴り飛ばして威嚇されるなどのパワハラに遭ったと明かす。
桃山学院教育大学の講師であるオチャンテ・村井・ロサ・メルセデスさんは国際理解教育などを専門分野としている、ペルーの首都・リマ出身の日系4世である。村井さんは、日本の技能実習制度について「この制度は今の奴隷制度なんですよね。『最悪なインターンシップ』として、海外からよく批判されています」と声を震わせた。
事業者が技能実習生に提供する労働環境などをチェックするシステムとして、日本には「外国人技能実習機構」が存在する。技能実習生を受け入れるにあたり、各事業者は実習計画を作成・提出する義務がある。外国人技能実習機構は、少なくとも年1回は実習先への視察を行っているが、訪問前には日時の通達が事業者へ行われるという。
悪意のある事業者は技能実習生に対して「(この日は外国人技能実習機構が来るから)不利なことは言うな」と根回ししておくことが可能であり、母国への送還をちらつかせられると、技能実習生はそれに従わざるを得ない。よって問題が表面化しづらい現状がある。
外国語のホットラインも用意されているが、結局は労働基準監督署(労基署)へ向かい、自身の口から問題を訴えなければならず、来日したばかりの技能実習生にはハードルが高い。
今ではマスコミを通じて、制度に対する問題がネット上でも流れているが、そんな中、今日本でなぜ外国人技能実習生が増え続けているのだろうか。
前述の弁護士・加藤さんは、その理由として「技能実習生の出身国の割合が変化してきている」とコメント。自国の経済力が上昇中の中国人は減少しており、近年はベトナム・ブータン・カンボジア・ミャンマーなどから来る技能実習生が増えてきているという。
「技能実習生を受け入れる企業は大半が中小企業で、うち半分程度は従業員が10名以下。日本人労働者からの応募がほぼないような待遇しか用意できない、競争力を失ってきている業界が外国人の支えを受けて、どうにか倒産せずに保っている状態です」(弁護士・加藤桂子さん)
SHELLYは、技能実習生に対して上から目線になっている人の多さを指摘。「この考えをいい加減変えていかないと。ネット社会の今、こういう皆さんの実体験がどんどんバレて、誰も(日本に)来てくれなくなる。必要な仕事をやる人がいない、そうなったときに企業もどんどん倒産していく」と述べた。
(AbemaTV/「Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~」より)