「プロレス×けもの×異世界」といった、そう簡単には混ざらないような3要素を奇跡的なブレンド具合で作品化し、冬アニメの中でも人気となった「旗揚!けものみち」。初回放送からの好評を持続、さらには加速しながら、まもなく最終回を迎える。三浦和也監督も自ら「ここまで反響が出るとは思わなかった」と笑うほどだが、細かい点でも見逃さないファンでも、まだ“笑い逃し”ているところもあるという。作品の反応とともに、最終回直前インタビューを行った。
-初回放送から、その破天荒ぶりが一気に人気となりました。
三浦和也監督(以下、三浦) スタート前は、ここまで反響が出るとは思わなくて(笑)1話、2話やった後でも、こっちが困惑するぐらいでしたね。
-反応が出たポイントはどこでしょう。
三浦 やっぱり原作の力というか、キャラクターの力ですかね。破天荒さというか、主人公も、ヒロインも突き抜けていますからね(笑)
-濃いキャラクターがたくさん出てきましたが、監督のお気に入りがいたら教えてください。
三浦 結構、アニメで膨らませたキャラクターもいるんですよ。個人的に好きなのは銀行員のクラウスさん。原作ではちょっと出てきて気弱な感じですけど、結構変えましたね。
-ファンの間では「コボルトの奥さん」が大ウケでした。
三浦 あれはもう、シナリオの時から「(ウケるのは)この人だよね」みたいな話はしていました(笑)。ただネタとして仕込んでいるものの、反応はそれ以上でした。源蔵と一緒にいるアリも、自分ではどうしていいかわからなかったんですが、原作者の暁なつめ先生が「ここらへんで入れてみたらどうですか」とパスを投げてくれまして。それがまた見事なウケ方をしていたので、すごいなあと思いました。
-初回からお姫様・アルテナがジャーマンスープレックスで投げられるという衝撃シーンが入りました。
三浦 おもしろいよな、と思っていた反面「これ、大丈夫かな?」と思ったりもしましたね(苦笑)。でもギャグだから、まあいいかと。反応も予想以上で、みなさん好意的に受け止めていただけました。
-細かい部分も瞬時に気づくファンの方が多いですが、監督だから分かる「まだ気づかれていない名シーン」があればお願いします。
三浦 コボルトの奥さん、爪があるじゃないですか。あれ、出るごとに色が変わっているんです。奥さん、源蔵をちょっと意識してるんで(笑)。8話のエピソードで、旦那さんが「最近色気づきやがって!」みたいに怒るんですが、実はネイルも変えている。ここは、みなさんまだ気づいてないんじゃないかと思います。
-最後に、ファンの方々へメッセージをお願いします。
三浦 最終回に向けては、もちろん源蔵とMAOの戦いがどうなるか、というのはあるんですが、それぞれのキャラクターが、どういう終着点になるのかに注目してほしいですね。みんな欲望に正直な人たちばっかりなので、その欲望がどうなったか、ということです(笑)
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