かんぽ生命の不適切な販売を巡る行政処分の情報を日本郵政側に漏らしたとして、総務省の鈴木茂樹事務次官が事実上更迭された件について20日、高市早苗総務大臣が「大変信頼していた方でもあり事務方トップでございますし、大変なショックを受けました」と話した。
総務省では日本郵政グループの行政処分を年内に行うことを検討しているが、鈴木事務次官はその情報を日本郵政の鈴木康雄上級副社長に電話で漏らしていたという。鈴木事務次官が漏らした情報は、大臣室でごく少数の幹部と大臣が話し合ったとされる密談の内容だったことを受け高市総務大臣は「公務の公平性、中立性に甚大な影響を及ぼし、行政の信頼を失うもの」などとお詫びした。
鈴木事務次官と鈴木上級副社長はともに旧郵政省出身で、先輩後輩の間柄にあたる。そのことについて、厚労大臣を務めた経験のある国際政治学者の舛添要一氏は「(鈴木事務次官が)NOとはいえない状況にあった。官僚においては、政治家や国民に対する忠誠心よりも先輩後輩の上下関係が絶対だ」と問題点を指摘した。
さらに舛添氏は「キャリア官僚は入省年次ですべてが決まってしまう。とくに総務省というのは、郵政が一部入って来たので、郵政は郵政の繋がりがある。両者のことをよく知っているが、『お前、ちょっと知らせろよ』と言われたらNOとは言えなかっただろう」と話した。(AbemaTV/『Abema的ニュースショー』より)
【映像】舛添氏、「NOとは言えない」キャリア官僚に苦言
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