10月の放送開始以来、戦うまでも慎重、戦い始めても慎重と、とにかく慎重な勇者が話題となった冬アニメ「慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」(以下、慎重勇者)。勇者・竜宮院聖哉と、女神・リスタルテの掛け合いが、今までの“異世界もの”とはまた違った笑い要素も展開している。12月27日から放送予定の最終回を前に、迫井政行監督に作品への反応や思いを聞いた。
-10月の放送開始から、いよいよ最終回も間近になりました。スタート直前、直後、さらにここまでの周囲の反響、ご自身の手応えなどはいかがですか。
放送前は、原作の面白さを上手く表現できているかというプレッシャーはありました。ですが、放送直後、視聴して下さった皆様、周囲の反響を聞かせていただいて、面白いというお声を多くいただけた事は、私をはじめ、現場スタッフの皆の励みになっています。作品の持つ魅力を最大限に表現できるよう努めますので、皆様に楽しんでいただいて、記憶に残る素敵な作品になるのではないかと思います。
-初回から勇者・竜宮院聖哉の「慎重ぶり」に注目が集まりましたが、その「慎重ぶり」を伝える上で、力を入れている点、気をつけている点はありますか。
慎重さは、まさに聖哉の行動や決断に表れているわけですが、「ありえないくらい慎重」というだけあって、常人には理解できないふるまいになっています。「ふざけてなどいない」という聖哉の言葉通りに、「大真面目に」「全力で」をモットーに表現を心がけています。
-竜宮院聖哉とリスタルテの掛け合いが、作品の軸になっていますが、声優のお二人に期待していたこと、実際のアフレコで印象に残った点は、どんなところでしょうか。
2人の会話は、「漫才」や「コント」にあるような、所謂「ボケ」と「ツッコミ」のように、キレのあるテンポの早いイメージでした。聖哉が「ボケ」でリスタルテが「ツッコミ」ですね。特にリスタルテはセリフ量がとても多く、早口で喜怒哀楽も激しい、演技の幅が求められるキャラですが、豊崎さんは、最初から私の想像を遥かに超えた楽しいリアクションやツッコミを工夫して、リスタルテというキャラクターを生み出してくださいました。
逆に、聖哉はほとんど感情を表に出さないように求められるキャラクターなのですが、梅原さんは終始カッコ良く、クールに、でも時に少しだけお茶目に、見事に演じてくださいました。3話にあった「超いらん」は絶妙でした。
-既に公開済みのエピソードの中で、特にオススメのシーンや、ファンの反応がよかったシーン、実はあまり気づかれていないけどこんなものを入れてある、といったものがあれば、ご紹介お願いします。
-色々ありますが、4話の「リスタのぽろり」や5話の「アデネラの豹変」、8話の「ミティスの大暴走」などが、特に反響が大きかったように思います。皆様もお気づきとは思いますが、キャラクターデザインの戸田さんをはじめ、各話の作画スタッフ、演出様による渾身のリスタルテの顔芸には毎回驚かされます。
-アフレコ現場での雰囲気や、そこでのエピソードなどあればお願いします。「慎重勇者」らしく「慎重すぎた」話などあれば、そちらもお願いします。
アフレコ現場はとても楽しい雰囲気で収録が進んでいます。リスタルテ役の豊崎さんは勿論ですが、脇を固めてくださるキャストの皆さんのアドリブ、予想外のリアクションなどは聴いていて、思わず吹き出してしまうことがしばしばあります。台本とは違っていても、面白いから役者さんのアドリブを生かしてしまうことも良くあります。
-今後のストーリー展開について、可能な範囲で見どころのご紹介をお願いします。
物語も佳境に入り、聖哉の「慎重さ」の所以など、思いも掛けないところに答えが用意されています。魔王討伐に必要な剣や鎧を手に入れられなかった聖哉の秘策とは…?敵味方入り乱れての笑いあり、涙ありの予想の斜め上をいく展開をお楽しみください。
-最後にファンの方々へストーリー終盤、最終回に向けてメッセージをお願いします。
「慎重勇者」をご視聴くださっている皆様、ありがとうございます。とても、とても楽しい作品です。スタッフ一同、慎重に、そして全力で制作しています。最終話に向かって、現場の私たちも物語の展開に脳が揺さぶられると思います。原作小説を書かれている土日月先生に良い意味で「してやられた」と、そんな気持ちでいっぱいです。すでにお話をご存知の方も、アニメで初めて触れる方にも、この気持ちを感じていただけるよう、スタッフ一同頑張っていますので、お楽しみに!
(C)土日月・とよた瑣織/KADOKAWA/慎重勇者製作委員会