「革命的非モテ同盟」こそが先端に?もはや“クリぼっち”は珍しくない時代に
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 「モテない人を馬鹿にしてはいけない!」「恋愛を諦めて何が悪いんだ!」

 今年も「クリスマス粉砕!」の旗を掲げ、渋谷でデモ行進を繰り広げていた「革命的非モテ同盟」。2006年に初代代表が失恋を機に設立して以来、“恋愛とは人間として当然するべきものである”という偏見に基づいて、クリスマスやバレンタインの消費を煽る空気を醸成する“恋愛資本主義”への異議申立てを行ってきたという。この日のデモに参加した人はアラフォー、アラフィフ男性を中心とする約20人。中には女性や既婚者の姿もあった。

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 3代目代表の秋元貴之代表は「私たちはアンチ・クリスト(キリスト)の団体ではないし、クリスマス自体をなくしてしまえという過激なスタンスを我々は取っていない。また、極左集団でもない。楽しみたいならどうぞ、ただ、モテない人、恋愛ができない人、あるいはもう恋愛から降りたという人たちを迫害するな、侮辱をするな、変な目で見るんじゃないということが理念だ。やはりクリスマスの時期になると、消費を煽られる中で恋愛に対する義務感みたいなものがもたげてくる。そして非モテはバカにされる」と説明、クリスマスカラーのベストについて尋ねると、「今まで粉砕してきた者たちの血で染め上げたベスト。赤=クリスマスと思うのがまさに商業主義に染められている証拠だ。見事に罠に引っかかってくださった」と笑う。

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 秋元氏の主張に、スマートニュースの松浦シゲキ氏は「六本木けやき坂のイルミネーションを歩いていると、自分は仕事で来ているのに、これ見よがしにカップルだらけ。本などで煽られ、踊らされた皆様方が来ているんだろうなと思うと、僕も粉砕したくなる。“クリスママスにプロポーズ”だとかがどうしても目に入るので、プレッシャーを感じてしまう。バレンタインも含め、夫婦や恋人同士で過ごすことは否定しないが、価値観を押し付けてほしくない」と共感する。

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 他方、クリスマスに詳しいコラムニストの堀井憲一郎氏は「“恋愛のクリスマス”というもののピークがはるか昔に過ぎていて、静まってきている」と指摘する。

 実際、24日・25日の予定が勉強や仕事、またはずっと独りだという、いわゆる“クリぼっち”の人は20代男性で41%、20代女性で35%となっており、増加の傾向にあるという。街で聞いてみても、「クリスマスは会う予定ない」(沖縄から来たカップル)、「(クリスマスを)そんなに意識することはない」(彼女と過ごさない男性)と、消極的な若者も珍しくない。さらに、プレゼントはいらない・用意しないと答えた人が多いというリサーチ結果もある。

 日本のクリスマスの歴史を紐解くと、実は100年以上も前に遡るという。「明治4年に始まったという人もいるが、クリスチャンではない人の間でも盛んになったのは日露戦争後の1906年ごろからだ。昭和3~8年頃にはダンスホールで大騒ぎ、昭和22、23年~30年頃にもダンスホールで大騒ぎするのが流行った。その意味では、今の方が静かとも癒える」(堀井氏)。

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 そして高度経済成長期に入ると、「菓子をブーツに詰めた商品を滋賀県草津の会社が発売」(1960年代)、「『an・an』がクリスマス記事。(バレンタインチョコが大流行)」(1970年代)、「“クリスマスには恋人と”。ティファニーのオープンハートがバカ売れ!『クリスマス・エクスプレス』のCM流行」(1980年代)、「クリスマスイルミネーション登場。経済効果が1兆円という時代が到来」(1990年代)と進化。ただ、2000年代に入ると、景気低迷と共に経済効果は減少も、年間で最も高くなる消費シーズンは変わらない状況になっている。

 堀井氏は「1970年代の終わりからバレンタインデーが顕在化してきて、女子中高生が告白する、“女性が主導する恋愛”にクリスマスともども使われた。その人たちが成人した80年代には、男性が女性に必死で追いついていって、80年代後半には“恋人たちのクリスマス”ということが定着した。つまり、現在60歳前後の女性がやり始めたことが今の時代に至っているだけで、それ以前のクリスマスに男女というのはほとんどなかった。しかし、それから30年も経ったので、もういいということだろう。特に2009年からはハロウィンが代役として出てきて盛んになってきている」と説明した。

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 堀井氏の話を受けK-1 WORLD GP スーパー・フェザー級王者の武尊は「“モテ男”と言われるが、毎年クリスマスに彼女がいたことない」とコメント。「時代が追いついてきているのでは?」と尋ねられた秋元氏は「そうであって欲しい。先駆者はいつの時代もなかなか理解されないものだ。私がこの世を去ってから理解されるだろう」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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