2期からが本番!クロスオーバー作品「異世界かるてっと2」芦名監督「キャラが勝手に動き出した」
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 「オーバーロード」「この素晴らしい世界に祝福を!」「Re:ゼロから始める異世界生活」「幼女戦記」の4作品の登場キャラがぷちキャラに姿を変えて学園生活で大暴れするクロスオーバー作品「異世界かるてっと」に新たに「盾の勇者の成り上がり」をゲストに加えた続編「異世界かるてっと2」が2020年1月から放送される。前作に引き続き監督をつとめる芦名みのる氏に、作品の注目点やクロスオーバーならではのこだわりを聞いた。

―1期の反響はいかがだったでしょうか?

 芦名 「これを公式でやるか!」って反応でしたね(笑)。ただ、小さいキャラクターでやるアニメって、最初はイメージが湧かないって人が多かったようなんですが、始まってみると「これはありなんじゃないか」って意見がどんどん増えて行ったのはよかったですね。

―2期の製作が決まったのはいつ頃なのでしょうか?

 芦名 1期1話の反響が良かったので、そこで2期をやることに決まりました(笑)。最初から分割2期が予定されていたわけじゃないことは伝えておきたいですね(笑)。

―実質9カ月で2期の製作を行うことになったと。

 芦名 短いですよね(笑)。しかも言われたのが1期の製作の真っ最中で現場は超燃えてる時だったんですよ(笑)。でも「いせかる」はクロスオーバー作品なので、他の作品にアプローチしてもらうための入り口のような位置づけなんです。だからやるなら早い方がいいんですよ。

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―クロスオーバーは各作品のファンが満足できるものを作るのが大変そうです。

 芦名 それぞれの作品のファンというだけではなく、同じ作品でもアニメと原作、コミカライズで少しずつ内容が違っていて別々のファンがいるんです。さらに声優さんのファンもいて、望んでいるものがみんな違うんですよ。要望に全てこたえるのは当然無理だけれども、キャラクターのバランスが特定の作品に偏ったりしないように、発言の回数などはちゃんと計算していました。

 話を作る時はまずメインに据えるキャラクターを決めて、それに合わせて動くであろうキャラクターの中から、まだあまり台詞が無いキャラクターを置いていくようにしています。あまり関係が無さそうなキャラクターでも、置いてみると勝手にしゃべるしゃべる(笑)。さらにそいつに対してこいつはこうしゃべるよな、じゃあこいつらはこう動くよなって感じで脚本を書くんですが、キャラが多くて尺があふれまくるのでガンガン削っていってます(笑)。

 それでも放っておくと喋っちゃうキャラクターがいるんですよ。誰とは言いませんが。で、静かなキャラクターもいる。物語の骨子は出来ているのに、バランスを取るためだけに数日かかることもしばしばでした。すごい大変(笑)。

―キャラクターの数も膨大ですから、アフレコも大変なのでは?

 芦名 「メイン級の声優さんしかおらん! この現場おかしい!」「いせかるのアフレコ現場で事故が起きたら他のアニメがいっぱい止まる」って冗談で言ってますけど、冗談じゃすまないですよね(笑)。この手のキャストさんが多いアニメは、収録漏れが怖いんですよ。台詞の抜けが無いかは音響さんと一緒にかなり気を張ってチェックしています。

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―アフレコ中の声優さんたちの様子はいかがでしょうか?

 芦名 複数の作品に参加している声優さんもいますが、基本的にはそれぞれの営は他の作品を知らないんですよ。なので、作品の垣根を越えて「このキャラはこういうキャラで」と話し合ったりしていますね。アインズ役の日野(聡)さんが他の方にオーバーロードの世界観を色々説明している姿を見ていると、それだけで「この作品面白い!」と感じます。

―クロスオーバーなので毛色が違う作品が集結しています。アフレコの際に特に気を付けている点はありますか?

 芦名 実は「いせかる」は「アンデッド」問題というのがあって、作品ごとに微妙に発音が違います。これはそれぞれの元アニメに準拠しています。普通アニメ作品では発音は統一するのが普通なんですが、例えばアインズとアクアを始めとした「オーバーロード」勢と「このすば」勢では完全に発音が違います。声優さんも「え?統一しないでいいんですか?」って感じだったのですが、そこはプロですね。上手く対応してくれています。

―世界観も違いますし、細かい部分のすり合わせは大変そうです。

 芦名 作品それぞれ世界の概念が違うのですが、中でも「オーバーロード」だけは時代そのものが違う上に、自由な世界観にしてしまうとアインズの仲間が戦争を始めて他の作品のキャラクターを制圧してしまいます(笑)。それは困ったぞと。

 実は「いせかる」は元々、それぞれ別の作品として短編アニメを作ろうという企画だったんです。KADOKAWAのプロデューサーさんも「流石に、複数作品をくっつけるのはきついだろう」と。でも「やっぱり混ぜると面白いよね」とおっしゃっていたのを聞いて、うかつに僕が「出来ますよ」「やりますよ」と言ってしまったので結果混ぜることになってしまいました(笑)。要は僕が悪かった(笑)。

 お互いが争ってはいけないという制約の中で、どうすればいいのかと考えて生まれたのが、学園という設定です。どの作品のキャラクターたちも常識があるので、ルールは守るんです。世界観を統一するには学園を舞台にするのが一番良かった。それに現実の世界でも学校ってルールがあるけど全部のルールを守っているやついないですよね。ある程度はルールを破ってもいいんですよ(笑)。そういう意味で、学園っていいなあと。まあ、幼女とガイコツが同じ学校にいたら、僕ならば絶対通いませんけどね(笑)。

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―最後に、2期の見どころを教えてください

 芦名 1期はいわゆる異世界転生の導入が話の軸になりましたが、2期は違う世界の出身なので分かり合えない部分はあるけど、それなりに仲良くなっている状態から始まります。2期になって、遂に異世界日常学園物がスタートした感じですね(笑)。

 こういう作品はお祭りですから、みんなで突っ込んだり反応したりするのが楽しいですよね。みなさんもTwitterとかでタグ付けてどんどんつぶやいていただければお祭りがもっと楽しくなると思うのでよろしくおねがいします。超エゴサして「いいね」するんで!(笑)。

【早川清一朗】

(C)異世界かるてっと2/KADOKAWA

(C)Isekai Quartet2/KADOKAWA

▶本編:待望の第2期スタート!「異世界かるてっと2」1/14(火)24:00~

【地上波先行・独占先行】異世界かるてっと2 #1
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