▲築地場外市場の佃煮屋「諏訪商店」の女将・牧野美千子さん
引きこもり状態にある40歳~64歳は全国で約61万3000人いるとされ、その7割以上が男性だという(内閣府調べ)。周囲からは存在を煙たがれ居場所もなく、燃え尽きることすらできないオッサンと呼ばれる世代は、どのような日々を過ごしているのだろうか。
SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜21時から放送中)の特別版『Mの悲喜劇~令和のキング・オブ・オッサン~』が配信中だ。女性ゲストらのリアルな本音に迫る『Wの悲喜劇』だが、今回の特別版では“オッサン”がテーマ。スペシャルゲストのタレント・りゅうちぇるとともに、“オッサンの生態”を探っていく。
ブロガーの中村彰悟さん(仮名/55歳)は現在無職。自分らしい生き方をするため起業に興味を持ち、現在はビジネススクールに通っている。
中村さんは大学卒業後、営業・企画としてメーカーに就職。勤めていた会社は10年前に買収され、社風が変化した。2019年3月にその会社が解散となり、50代にして無職になってしまった中村さん。再就職を見つけるための活動をしているが「年齢で断られることがかなり多い」と明かした。
社会学者の千田有紀さんは、中年に入り、終身雇用を見込めると思っていた企業から放り出されてしまうことを「すごく現代的(な問題)」と分析。一方で、築地場外市場にある老舗の佃煮屋「諏訪商店」の女将・牧野美千子さん(55歳)は、築地では70代・80代でも現役の人々が数多く働いており「築地は(50代でも)採ります」と進言した。
“失敗続きのおっさん”さん(自称/59歳)は日雇いの清掃業をしている。オーダーが入れば現場へ赴くが、仕事がない日は「ブラブラしています」と話す。オーダーを増やす努力は「めんどくさくて」していない。番組収録を行った当月は4日ほどしか働かなかった。妻は会社勤めをしており、生活費はすべて妻に出してもらっているという。
清掃業は体力を使うので「もう辞めたいです。もう無理! おじいちゃんですから、俺もう……」とぼやく“失敗続きのおっさん”さんは、3年前にハンバーガーショップを起業したが事業に失敗。当時の借金がまだ1000万円ほど残っており、月に30万円を返済しないといけない状態にある。
「返すのは頑張りますよ」と述べ、返済を妻に背負わせるようなことはしていないが、失敗続きさんの稼ぎは「すべて借金返済に充てられている」と明かした。
“失敗続きのおっさん”さんは、社長令嬢であった妻の家に婿入りする形で結婚。現在も妻の実家に住んでいるため、家賃はかからないが、追い出されたら野垂れ死ぬしかない状況だ。これを聞いた前述の牧野さんは「奥さんに可愛がってもらう術をよく知ってるってことですね」と絶賛する。自身の刑務所服役経験を活かし、現在は元受刑者を積極的に受け入れる建設会社を経営している廣瀬伸恵さん(41歳)も「優しさが売りで、女性は癒やされるとお金をついつい出したくなる」と話す。
しかし、働いていない日は「おうちにいます。仕事をした翌日はだいたい朝から酒飲んでいますね」と語る“失敗続きのおっさん”さん。「妻から怒られないのか?」という質問に対しては「頑張ると週4日、気が向かないと週1料理をする」と回答。洗濯や掃除は「嫌いだからやらない」そうで、番組MCのSHELLYは「ギリアウト」と苦笑い。
前述のビジネススクールに通学中の中村さんは、今年3月に卒業予定だ。ビジネススクールには「会社を作って儲けてやる」という野心家が多く、自分の存在が場違いだと感じているという。「今自分が30代だったら(すぐに)起業するかもしれない」と、自身の年齢がネックになり、起業に踏み出せない心境を吐露した。
築地場外市場で働く牧野さんは「これまでの人生でつらいことをたくさん経験してきた」と明かし、「幸せハードルが下がっているちょっとしたことが“ありがとう”だし、ちょっとしたことが“幸せ”と思えるようになったのは、大変なことをやってきたご褒美」であるとコメント。ゲストの男性陣にも、幸せを噛みしめる人生を送ってほしいと語った。廣瀬さんも自身の建設会社には元受刑者の社員が多数在籍しており「みんなどん底を知っているからこそ、みんな努力してる」と“オッサン”たちにエールを送った。
(AbemaTV/「Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~」より)