「深浦」と書いて「粘る」と読む 深浦康市九段だから生まれた1日2局で合計357手の激闘
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 将棋の朝日杯将棋オープン戦・本戦の1、2回戦が1月18日に行われ、深浦康市九段(47)が2局で合計357手の激闘を演じた。1回戦では棋界トップに立つ豊島将之竜王・名人(29)に勝利、続く2回戦では若手のエース格・千田翔太七段(25)に敗れたものの、どんな形になっても最後まで諦めない姿が、多くの将棋ファンの胸を打った。

 将棋は最後までわからない。だから徹底的に粘る。それを将棋ファンに示すかのような戦いぶりだ。午前10時からの1回戦ではビッグタイトル2つを保持する豊島竜王・名人との対局で、持ち時間40分の早指し戦ながら、対局時間は2時間50分、179手の長手数の大熱戦を制した。

 朝日杯の本戦は、勝ち上がった棋士が1日2局指すことになっている。1局目終了から1時間10分後、午後2時からベスト4入りをかけて、千田七段とぶつかった。長時間の対局は、2日制の番勝負や順位戦(持ち時間各6時間)など、プロ棋士なら慣れたものだが、長手数の対局をこなした後、またもう一局ともなると、疲労度はまるで違う。ましてや持ち時間の短い早指し戦となれば、集中力の持続も求められる。そんな状況でも、深浦九段の粘りはすさまじかった。

 千田七段との一局はリードを劣勢、敗勢と徐々に追い込まれたものの、すぐに「負けました」の5文字を吐かないのが深浦流。この対局でも、逆転とはまでは言えないものの、一時は形勢を大きく戻す場面もあった。178手で敗れたが、会場からは大きな拍手が送られた。47歳ともなれば、将棋界ではベテランの域。早指し戦は若手有利とも言われるが、粘り合いに持ち込めばその力はトップクラスだ。

 最近では弟子の佐々木大地五段(24)の活躍が目覚ましいが、深浦九段の驚異的な粘りが、改めて将棋界に響き渡った一日となった。

(AbemaTV/将棋チャンネルより)

▶映像:深浦康市九段、1日2局・合計357手という激闘の一日

大熱戦を1日2局も指した深浦九段
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朝日杯将棋オープン戦 本戦トーナメント 三浦弘行九段 対 斎藤慎太郎七段 菅井竜也七段 対 藤井聡太七段 1月19日(日)9:25~
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