先月31日、麻薬取締法違反の罪で起訴された女優の沢尻エリカ被告(33)の初公判が行われ、わずか19席の傍聴席の抽選を目当てに、およそ6時間前から2229人の人たちが集まった。沢尻被告は、法廷で起訴内容を認めたうえで女優への復帰を否定。判決は今月6日に言い渡される。
倍率にして約117倍となった注目の初公判を抽選無しで、傍聴人とは異なる視点で見守った人がいる。法廷画家歴27年の大ベテランで、宮崎勉や松本智津夫元死刑囚など、いずれも注目の公判を描き続けてきた染谷栄さん(80)。これまでに描いた法廷イラストはおよそ3000枚にのぼる。
「姿勢は正しく、話す言葉もはっきりと落ち着いていた」
法廷での沢尻被告の様子について、数々の被告人を描いてきた染谷さんはそのように話した。この裁判に関わった法廷画家の人数は多く、5分おきぐらいに交代で出入りしながら作業を行ったという。
染谷さんは今までに担当した「記憶に残った法廷」についても触れ、一番目にオウム真理教の松本智津夫元死刑囚を挙げると「最初から最後まで何もしゃべらない。何かをもごもごと話してはいるが、記者が書き留めようにも何を言っているのか分からなかった」と振り返った。
その他にも、2007年3月に英国人の英会話講師であるリンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)に対する殺人や死体遺棄容疑などに問われ、2012年4月に無期懲役が確定した市橋達也受刑者についても触れると「整形などもあり、法廷に入って来た瞬間はまるで別人の顔だった。裁判中はほとんど下を向き、顔を上げない。おそらく検察側にリンゼイさんのご両親がいらしていたので、そちらを向きたくなかったのだろう」と述べた。
首都圏連続不審死事件の木嶋佳苗死刑囚については「実際本人に会ってみると、思っていたよりはオシャレ。裁判員裁判で1日続いたのだが、午前中と午後で衣装を変えてきたりしていた。はっきりした声だった」と話したが、「モテそうな感じだったか?」と問われると「それは分かりません」と苦笑いを浮かべた。
なお染谷さんによると、法廷で「最も気持ちが外に出ている瞬間」を描くのだという。(AbemaTV/『Abema的ニュースショー』)
【映像】ベテラン法廷画家が語る沢尻被告の初公判
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側