66歳のさい銭泥棒を撃退したのは、空手歴10年、ベンチプレス130kgを軽々と上げる腕利きの宮司だった。
【映像】撃退した宮司は空手歴10年、ベンプレ130kgの猛者
今月1日、福岡市の御子神社に全身黒ずくめの男が現れた。参拝するかと思いきや、棒のようなものを持ち出してさい銭箱の中を物色。白い封筒を慣れた手つきでキャッチすると、すぐさま懐に収めた。と、その時だった。悪行の一部始終を見ていた宮司が登場。逃げた男を捕まえると開けた場所まで誘導し、鮮やかな投げを打ってあっという間に制圧して見せた。
その映像を見た武道専門誌の編集長で自らジム「BUDO-STATION」を主宰する山田英司さんは「この宮司さんは無茶苦茶レベルが高い」と感嘆すると「泥棒ともみ合った時に自身の腰を落として相手の動きを封じている。それは重心を落とす反応力のことだが、素人ではなかなかできない。さらに相手を怪我させない場所まで連れて行き、後ろ襟をつかんで引き倒している。環境を計算して、なおかつ一番ダメージを少なくする制圧法は何か。この瞬間に考えていたことになる」とその理由を続けた。
御子神社の石橋一成宮司に電話取材を行うと、30年ほど前まで10年間空手の鍛錬に励んでいたことが判明。さらに61歳になる今でも週3回のジム通いは欠かさず、ベンチプレス130kgを軽々と上げるほどの怪力の持ち主だという。
警察庁の調べによると、さい銭泥棒は年間3000件以上、1日に10件近く発生している。東京都江東区にある猿江神社では、これまで年に2、3回さい銭箱ごと盗まれる被害に遭っていたことを受け、「絶対盗まれないからくりさい銭箱」を設置。
からくりさい銭箱はステンレス製で壊される心配がなく、特殊な構造でできており、手を突っ込んでもさい銭箱の底まで辿り着かないのだという。同商品の製造会社の社長によると、設置場所や泥棒の手口に応じて構造を変えているのだとか。
被害に遭った御子神社の石橋宮司は今回の件について「何度か見かけていて、一度はしっかり注意をして帰していたが、また来た。盗る姿が確実に分かるのを待っていた」と話すと犯人が66歳であったことを明かしたが、今までの被害額については「さい銭箱からお金を取られた場合は、いくら盗られているかはわからない」と説明。さらに防犯カメラは2台設置しているが、寒い時は人のお参りが少なく被害が多いとも。
なおこのさい銭箱、厚みが1cmの鉄板で作られており、重さは数百kgあるので何か道具が無ければ動かせない。開けるにも切断機が必要で、年に1度か2度しか中身を取り出していないという。
最後に「こういう時のために鍛えているのか?」と質問を受けた宮司は、「そんなことはない。将来、歳をとった時に他人に迷惑をかけないように鍛えています」と答え、あくまでも筋トレはさい銭泥棒対策ではないと主張すると、視聴者からは「恐れ入りました」といった声が寄せられていた。(AbemaTV/『Abema的ニュースショー』)
【映像】撃退した宮司は空手歴10年、ベンプレ130kgの猛者
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