21日午後、テレビ朝日2階の「プレゼンルーム」で行われた中居正広の記者会見。SMAPの再結成や共演の可能性について問われると「1～99％。ゼロや100ではない」と応じた中居に、会見後、「新しい地図」の稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾からは「一緒に頑張ってきた中居くんの新しいスタートにエールを送りたいと思う」、そして木村拓哉からも「それぞれが決めたこれからの人生、お互いに前に進もう。」との温かいメッセージが寄せられた。
会見を取材したAbemaNewsの辻歩キャスターは「私も色々な記者会見に行ったが、かなり異色の記者会見だった。通常は報道陣の準備ができたら始まるという流れだが、今回は我々が受付をして会場に入ると、もう中居さんが立っていた。カメラマンはすぐにパシャパシャ撮る。すると中居さんが“フラッシュの点滅にご注意ください”というプラカードを出す。そのまま、まるで囲みの取材のような状況になって、先に入った記者たちとの“雑談タイム”が始まった。そういう、笑いが起きるような、すごく和やかな始まり方だった。司会の人もいないので、改めて扉の外に出て、自分で“5秒前、4、3、2、1”と入ってきた。まるで中居さんワンマン・トークショーを見ているかのようで、フライデーの記者を“君、よく家くるよね。やめてね（笑）”といじるなど、本当にすごく和やかな雰囲気で進んだ」と振り返る。
また、会見を見て、中居の“MC力”が遺憾なく発揮されていたと話すのが、お笑いトリオ・パンサーの向井慧だ。「『笑っていいとも！』のあの最終回を仕切っていたのが中居さん。逆に言うと中居さんしか仕切れなかったと思う。そのくらい、誰とでも絡める人。僕も『ナカイの窓』にゲストMCとして何度か出させて頂いたが、中居さんは“俺、何にも把握してないから、全部やって”って言う。でも、おそらく全部が頭に入っていたと思うし、僕はその手のひらの上で自由にやらせてもらっているなという感じがした。あれほど気遣いができて、仲間思い、スタッフ思い、共演者思い、という人は見たことがない。だからこそ、こういう素敵な形で退所できるんだと思う」。
今回の“円満な退所”の背景について、芸能界を巡る問題に詳しい、レイ法律事務所の佐藤大和弁護士は、公正取引委員会の動きがあると指摘する。
「公正取引委員会が、一度辞めると数年間は活動をできないという“競業避止義務”を原則禁止した。それを受けて、事務所と芸能人の争いも円満に解決しようという流れができていた。私も独立や移籍時のトラブルを扱ってきたが、昔は書面を送ると“よし分かった。戦うぞ”という感じだったのが、大手事務所に関しては、双方にとっていい形を目指しましょうという形になってきており、“円満に退所”というニュースもすごく増えている。すごく良い流れだと思う。今回のように、円満を全面的に前に出している記者会見は今までなかった。やはり行政の動きに影響を受けた会見ではないかと思った」。
向井はこの点について「かなりの数の芸人がいるので、パンサーの3人で細かい話はさせてもらっているが、まだ吉本と契約書を結ぶまでには至っていない。でも、吉本がお世話をしてくれたからこそ、僕たちはお仕事を頂けるようになった。そう考えると、“一人で行けるようになったんで独立します”が簡単になってしまうと、事務所としてはどうなのだろう。もし僕が行くんだったら?ナベプロ（笑）」とコメント。
佐藤弁護士は「日本の芸能事務所にはタレントを守ってきたという側面もある。育成し、活躍させてきた。しかし、芸能人とは対等の契約しかし、芸能人とは対等の契約をしているのにも関わらず、これまで日本では上下の関係になってしまっていたし、そうしたことについてタレント自身にも当事者意識が足りなかった。今後は独立や移籍を活発にすることによって、事務所の魅力を前に出し、他の芸能事務所から移籍してきてくれるようにする。それによって、芸能人は自分に合う事務所を探すようになるし、人材の最適化が起こってくる」とした。
さらに今後の展開について佐藤弁護士は「日本に比べ、海外は芸能人の法的地位に関する議論が活発だが、ようやく公正取引委員会が動いてきた。今週開催するシンポジウムでも、芸名に関する話をしてもらえるかもしれない。また、YouTuberやSNSの権利の帰属の問題は今センシティブで最先端のテーマだ。基本的には事務所側が握ってしまっていることが多いので、私としては、そこを何とか改善していきたい」と話していた。（AbemaTV／『AbemaPrime』より）
▶映像：中居正広が円満退所 芸能界の転機に?独禁法違反・契約問題の今後
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