新型コロナウイルス感染拡大を受けて政府は今月10日、大規模なイベントの自粛を10日間ほど継続することを要請。この方針を受けて12日、松竹は公演の中止を延長し、宝塚歌劇団は再開した公演を再び中止にすることを発表した。
舞台などが相次いで中止となるなか、吉本興行は今月6日から無観客でライブを開催。全国9か所の会場からリレー形式でおよそ12時間ネット配信をしている。
昨日21時からは渋谷のヨシモト∞ドームで、お笑いコンビ・次長課長の河本準一(44)が座長となり『次長課長 河本の地獄の大サーカス~河本×ブレイク一歩手前芸人×猛獣若手~』と題したライブを行った。
無観客でのライブについて河本は「これは多分分かれるかな。もちろんお客さんあってのっていうのがお笑いの醍醐味ですし、生ですから。ただお客さんいない方がのびのびやる芸人さんもなかにはいて、芸人は爆笑してるのにお客さん全く笑わなかった、っていう子らもいるんで、ものすごくホームな感じになってる芸人もいるかもしれないです。でも基本はやっぱりお客さんの生の笑いは欲しいですよね」とため息を漏らす。
ライブには、昨年『女芸人No.1決定戦THE W』で優勝した3時のヒロインや、『キングオブコント』で決勝に進出したやさしいズなど実力派も出演。がらんとした客席に向かい、全力で芸を披露した。ネット配信で笑いを届けているとはいえ公演の数はおよそ3分の1に減少。無観客、無料で配信しているこの状況に、若手芸人たちは不安を隠せない。
3時のヒロインの福田麻貴(31)は「(お金について)私もどうなっているのか知らない状況で来てしまったので。同期の芸人には、劇場だけで食べられていたのにこういう状況になったので、5年ぶりにバイトを始めたと言ってる子もいましたね」と厳しい事情を明かした。やさしいズのタイ(34)は「激ヤバです、5日7公演ぶっ飛びました、終わりです」と焦燥感を吐露。今後の生活について「来月は確定申告(の還付金)でなんとか生き延びる。芸人は不思議と月々3万でやりくりできるから」と苦笑した。
コロナウイルスによって活躍の場を奪われた芸人。「死活問題だと思いますよ。やっぱり劇場で給料が支払われるわけですから、我々は固定給がゼロですからね」と、河本はたんたんと話した。芸人の性を認めつつ、「もちろん後輩の中でご飯が食べられないって言ったら連れていくことはできるんですけれど。プロとしてはやるべきことに最善を尽くして、力を合わせてやっていかなあかんので、この公演をどんだけ大事にするかによって、次このライブが満員になったらこの子らがもっとお金稼げるわけじゃないですか。そのサポートはできますよね」とライブにかける思いを明かす。「だから手を抜かず気を抜かず、見せれるものを見せてあげれば、絶対に最後お金になって返ってくると思うんです」と静かに、信念を語った。
(AbemaTV/『AbemaNews』より)