新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないイタリア。コンテ首相は今月9日に会見を開き、10日からそれまで北部地域に限定してきた移動制限措置を全土に拡大する決断を発表した。
この非常事態を受けイタリアでは、約1カ月間、集会やスポーツの試合などを禁止。さらに2週間、薬局や食料品店以外の店を閉鎖する措置が取られている。わずかに開店しているスーパーマーケットでも、一度に入る客数を制限しており、店の前には互いの接触を避けて列を作ることができない人たちが、ジグザグに入店の順番を待つなど、異様な光景を見ることができる。
いざ店内に入ると、日本と同じくトイレットペーパーの買い占めが発生。さらに手袋や洗剤、生鮮食品なども欠品・品薄状態が続いている。
死者や感染者が増え続けている状況について、イタリア出身のモデルでタレントのジローラモは「イタリアは不景気のために病院を閉めたり、先生をカットしたりした。そのため、病気になっても診察を受けられない病院も多い」など、状況悪化の一途をたどっている国内事情を説明した。
さらにジローラモは、95歳になる自身の母に関するエピソードも披露した。
「私の母は南の方に住んでいる。いまは外に出るときには許可が必要になるが、いくら説明をしても『見えない病気だから大丈夫』と買い物に出かけ、およそ5万円の罰金を支払うことになった。中には6カ月くらい刑務所に行く人もいるかもしれない。厳しくしないといけないが、イタリア人の中には守らない人もいる」
こうしたイタリア国内の状況を受け、医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之氏は「イタリアは日本と比較すると人口あたりの病院・病床の数が四分の一程度しかない」と話し、感染拡大に歯止めがかからないイタリア医療の問題点を指摘した。(AbemaTV/『Abema的ニュースショー』)
【映像】95歳の母が外出で罰金…イタリアに何が?
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