「赤字がただ膨らむだけ」 新型コロナによる相次ぐお笑いライブの中止に、制作会社代表「お笑い界の大ピンチ」
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 14日深夜、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(AbemaTV)が放送され、お笑い制作会社K-PRO代表の児島気奈氏が、新型コロナウイルスの影響によるお笑いライブシーンの厳しい現状について語った。

 この日は「コロナ騒動、エンタメ被害の実態」をテーマに、エンターテイメント業界で仕事をする関係者がゲストに招かれ、トークを展開することに。

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 児島氏が代表を務めるK-PROでは年間1000本以上のお笑いライブを制作しており、2月27日から3月24日の間で中止になったライブの本数は50本にのぼるという。

 政府が発表した自粛期間を越えたが状況が好転しているとは考えられないため、現在は中止期間を延長して対応しているとのこと。児島氏は「春休みの時期だったので、たくさん若手や新人の芸人が観られるライブとかを予定していた。それが全部中止になった」と悔やんだ。

 会場のキャンセル料については、公共の施設が会場だった場合は返金に応じてくれるそう。しかし施設側も処理が追い付いておらず「いつ返金されるかはわかりません」と言われているという。また、ほとんどの私設の劇場は「キャンセル料はそのままいただきます」という回答だったそう。

 竹山が「3月24日以降も予定を組んじゃっているのは、けっこうあるわけでしょ?」と問いかけると、児島氏は「劇場は1年先、2年先まで押さえている」と、すでに予約をしていることを明かして「自粛期間がいつまで続くかで、赤字はただただ膨らむだけ」と、厳しい現状を語った。

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 すると、お笑いコンビ・ウエストランドの井口浩之が、K-PROが主宰するお笑いライブは、東京の吉本興業所属以外の芸人が出演できる重要な場所であると解説。「『M-1』とか『キングオブコント』に向けてネタを仕上げていく修行の場でもありますから、それがないとなると若手がなにもネタを磨けなくなる」と、お笑いの世界においても深刻な問題であると訴えた。

 さらに井口は「芸人もコロナの影響で『ライブがなくなった』『お金がない』とかありますけど、僕らぐらいの若手はみんな『K-PRO大丈夫か?』という……K-PROがなくなっちゃったら僕らも困るぞということで、みんな『K-PROがどうなっちゃうんだ』と心配をしている段階」と、危機感を募らせている様子だった。

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 児島氏は「耐えられるかどうかで言うと、3月以降はわからない」と不安を吐露しながらも「お金うんぬんよりも、芸人さん大丈夫かな」と心配をしているという。また、会社のスタッフとは再開に向けて前向きに話し合いをしているそう。

 「『K-PROがしんどそうなところを見せちゃ駄目だよね』というのを合言葉に日々頑張っています。今回はお笑い界の大ピンチだと思っているので」と、あくまで芸人ファーストで語る児島氏に、竹山は「(お笑いを扱っている事務所は)いろいろあるけど、ここ10年ぐらいのK-PROの活躍には感謝しかない。どれだけ事務所は若手を育ててもらったのよっていう」と、リスペクトを込めてコメントをした。

▶動画:相次ぐお笑いライブの中止に、制作会社代表「お笑い界の大ピンチ」(1時間9分頃~)

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