【8日12時00分】放送がきっかけとなり、お兄さんから警察に連絡があり、無事が確認されたとの連絡がありました。拡散・情報提供にご協力を頂き、ありがとうございました。



 日本で1年間に行方不明者になる人の数、8万7962人。そのうちの1人、4カ月前に失踪した兄・木下マルコムさん(29)を探しているのが木下アディオラさん(27)だ。

 兄妹はフィリピン人の父と日本人の母の間に生まれ、中学生の時に来日。その後、両親が離婚したことで親戚の家を転々としたが、そんな中で自分を守ってくれたのがマルコムさんだったという。「家族といったら兄。一番の味方」。

 ところが去年11月9日、マルコムさんに送ったLINEに既読がつかなくなってしまった。そこで15日、警察官立会いのもと、マルコムさんが住む東京・北区のマンションを尋ねたところ、室内は散らかった状態で、衣類とパスポートが無くなっていた。勤務先の介護施設に問い合わせると、10月25日から無断欠勤しているということもわかった。また、17日には最寄りのJR赤羽駅前に画面の激しく損傷しているスマホが落ちており、警察に届けられていたという。ロックがかかっていたことから中身を確認することはできなかった。この日、アディオラさんは捜索願を提出した。

 さらに不可解なのが、11月27日、アディオラさんのマンションの大家が、マルコムさんの姿を目撃したというのだ。しかも、室内の貯金箱から約5万円がなくなっていたという。アディオラさんによると、「介護の仕事だけでは家族に借りている分のお金も返せないので、夜もアルバイトをしていると話していた」というが、黙ってお金を持っていくようなことはしなかったという。家出をする理由は全く見当たらない。「せめて安否だけでも聞きたい。生きているぞっていう、何かが欲しい」。

 そこでAbemaTV『AbemaPrime』では、2人の人物に調査を依頼した。1人目はSNSにアップされた画像や投稿文から、有名人の住所などの個人情報や時に一般人の個人情報までも調べ上げるネット特定班“鬼女”のアイさん(仮名・23)だ。

 アイさんが発見した、マルコムさんのものと思しきTwitterとInstagramのアカウントからは、六本木のクラブのスケジュールをチェックしている可能性が浮上。ただ、新型コロナウイルスで営業を自粛しているため、残念ながらクラブ経由の情報を得ることはできなかった。さらにアイさんはSNS上の画像から、マルコムさんがかつて勤めていた浅草の美容サロンの情報も割り出したが、現在の居所へ繋がる手掛かりは見つからなかった。

 次に依頼したのは、250件を超える行方不明者を発見してきた「さくら幸子探偵事務所」の姉崎一美氏。浅草エリアで地道に調査を続けると、ある飲食店のスタッフが「これマルコム。分かる。マルコムの風貌はかなり目立つので、遠くから見ても、あぁマルコムだなって」と証言。しかも姉崎氏が訪れる直前、自転車に乗ったマルコムさんを目撃していたというのだ。

 そこで近くの防犯カメラの映像を見せてもらうと、証言通りバンダナを巻き、髪を後ろで縛っている男性が自転車で走ってくる様子が捉えられていた。画質の問題で顔がよく判別できないが、「髪型や体型は本人っぽい」とアディオラさん。しかし、それ以上の情報にたどり着くことは叶わなかった。

 マルコムさんの失踪について、「自宅にはもう戻ってこないが、何か新しいことをする、という時のいなくなり方。自分の過去を清算したい人とかが取る行動に近いと感じた」と姉崎氏。「それでも、やはり妹さんとは二人で頑張ってきたという思いがあるし、裏切っているという気持ちもあると思う。もともとは真面目に働いていて、評判が非常にいい人。それだけに、妹さんや家族に何も告げないままいなくなるしかなかったという、その事情がすごく気になる。例えば事件や事故に巻き込まれていたり、闇金や反社会的勢力が関わっている場合は非常にリスキーな状況ではあると思う。もし自転車で走っていたのが本人なのであれば、まだ間に合うのではないか。ここ1カ月くらいが勝負だ」と話した。

 取材した日は、折しもマルコムさんの誕生日。本来であれば家族一緒に過ごす予定だったというアディオラさんは「やぁ!今日お前の誕生日だよ、覚えてる?元気にしていると良いなって」とLINEを送った。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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