発覚すればその後の人生を一変させてしまう不倫、そして略奪愛。相模ゴムの調査によれば、「結婚相手・交際相手以外に性行為をする相手がいる」と答えた人は20.5%、つまり5人に1人の割合に達しており、5年前の調査と比べると、30代~40代の男性に関しては増加しているという。
経済評論家の門倉貴史氏によれば、デート代、プレゼント代、ホテル代など、不倫している人が年間に使う人のお金は年間で約72万円に上り、そうした人が約500万人いるという推定値を掛け合わせ、2次的経済波及効果を足すと、年間5兆5000億円もの経済効果があると試算できるという(『不倫経済学』)。
また、当事者が著名人の場合マスメディアやネット上でのバッシングに遭うことになるが、今年に入ってからも様々な報道がなされており、無くなる気配は全くない。フリーアナウンサーの森遥香と柴田阿弥も、不倫をしている女性は周囲にとても多いと明かす。「“完全犯罪”も多い。大学時代を振り返ってみても、“相手の家庭のことなんかどうでもいい”とか“人のものじゃないと嫌だ”という“恋のいいとこどり”パターンや、いわゆるパパ活みたいなパターン、そして“本当に好きだから”というパターンもあって、本当に理由は多種多様だった」(柴田)。
実際、不倫に走る理由には「刺激を求めて」というものだけではなく、「寂しさの解消(話を聞いてくれない・相手をしてくれない)」「性欲解消(セックスレス)」という複雑な背景を持つものもある。それでも、誰かの悲しみの上に成り立つ幸せはありなのか?略奪愛は許されるのだろうか?。
そこで3日のAbemaTV『AbemaPrime』では、不倫した人、不倫された人を交えて考えた。
■「外野の人がいいか悪いかを決めるべきではない」
結婚7年目、2人の子どもがいるアキラさん(仮名・30)は、妻に悩みを伝えるも「今、私、仕事が忙しいから理解できない」と無下にされるなど、不満を募らせた結果、イベントで知り合った女性と不倫関係に陥った。
「相手の女性が“元彼と別れた”とか言っていて、“これはちょっといけるな”っていう雰囲気を醸し出していたので。“こういう時って意外と落としやすいんだよな”と。最初の2、3カ月は新鮮だし、いけないことをしているっていう自覚があるから余計に楽しかった。どうやったらバレないかなという、遊び感覚、ゲーム感覚だった」。
その関係は1年2カ月に及んだが、ついに離婚を決意するに至る。子ども2人は妻に託すことになった。「“いつ別れるの?”と聞かれても答えをはぐらかしてばかりいたので、相手が離れていきそうになった。そこで“あ、やばい”って。嫁は何もしなくてもいてくれる。“何もしなくてもいてくれる人”と“何かしないといなくなってしまう人”で、逃げてしまう人を追いかけた」。
略奪婚をすることになったサオリさん(仮名)は「罪悪感があるとかないとかいう次元の話じゃなく、頭の中・眼中にないっていうのが正しい。自分の幸せに他人を意識する必要があるのかという。正直どうでもいい。興味がない」と断言した。
改めて“不倫・略奪愛をどう思う?”とアキラさんに問うと、「家族が幸せだったかと言われたら、俺はそうじゃないと思う。男と女がいたら不倫は起こるものだ。当事者が決めるべきだと思う。外野の人がいいか悪いかを決めるべきではない」と答えた。
■EXIT兼近「子どもは親が苦しむ姿を見る方がきつい」
「婚外純愛コンサルタント」として、不倫に悩む女性だけでなく、男性の相談に載っているnattsuさんは、自身も当事者としての経験を持つ。23歳で結婚し、子どもを授かったものの、夫との価値観の違い、DVに悩むようになる。15年前にそんな中で出会い、不倫関係になったのが現在のパートナー・サトルさんだ。サトルさんにも妻がいたので、いわゆるダブル不倫。その後、nattsuさんは離婚したが、サトルさんは今も離婚調停中の立場だ。
「不倫の推奨をするわけでは全くないが、夫婦がちゃんと愛し合っていて、本当に幸せであれば他人が入り込む隙間はない。しかし、パートナーが違うと思う場合もある。そうであっても不倫は許されないものなのか。人間は完ぺきではないので、不倫はなくならないと思う。真剣なものであれば普通の恋愛でも苦しいが、やはり不倫関係になるとものすごく辛い。友達にも言えなかったりするので、相談相手が必要になってくる。そこで私は“あなたの幸せは何だろうか”ということを自身で探ってもらう。奪い取ろうと考えているのであればやめさせるが、本当に愛していて、求めているものが彼なんだという場合であれば離婚するようにアドバイスをすることもある」。
番組には「不倫は自由だけど子供がいる人はやめてほしい」「子供が結婚するときに相手の親が離婚していると“そういう血筋”と思われマイナスになる」「男は下半身で不倫するが、女は脳みそで不倫する。深刻なのは後者とよく言われるがどうなんだろう」「男が結婚するとブランド力が上がる。東証一部上場みたいなものだから」等、様々なコメントが寄せられた。
EXITのりんたろー。は「僕も芸人やっていなかったら100%不倫している」とコメント。兼近大樹は「子どもがいるからどうのっていう話を聞くが、子どもは親が幸せだったら幸せだと思うし、“あんたのせいでこの人と一緒にいることになった”と言われ、親が苦しむ姿を見る方がきつい。世界には色んな生き方、恋愛の仕方がある。自分の親には好きな恋愛をしてほしいと、子どもは思うはず。親が子どもに甘えられないから一人で抱え込む。だから自由でいいんじゃないかなと思う」と話していた。
■「無責任な関係を持つのは弱い人間がやること」
一方、黙々と引っ越し作業を行うさくらさん(28)は昨年10月に不倫をした夫と離婚、別居をスタートさせようとしているところだ。
「家族旅行に出かけたときに、車の足元らへんにコンドームの空のごみを見つけて、なんだこれ?って。高まった気持ちが抑えきれず、2週間後に夫の携帯を見るに至った」。夫の周囲にあった3人の女性の陰。夫は、そのうちの1人と不倫関係にあったことを認めた。しかも、時期はさくらさんの妊娠中だった。「私と、生まれた子どもが寝ている布団の上でそういうことをしていたようだ」。
一度は関係修復を試みたものの、不倫をされたという事実を許せずさくらさんは離婚を決意。シングルマザーとして2人の子供と共に生きる決意を固めた。「結婚前から不倫されるんじゃないかと疑う気持ちはゼロではなかった。しっかりと男女関係のところをお互いに向き合って、本当に結婚しても大丈夫な人なのかどうかいうことを判断してから結婚に至ればよかったかなとも思う。子どもも私もパパのことを大好きだったし、経済的にも精神的にも不安だったので、一度は離婚を踏みとどまった。信じて頑張ろうと思ったが、やっぱり裏切られたという気持ちができてしまうと、一生ずっと添い遂げるのは難しいなと思った。
それでも連絡は1日に1回は取るように心がけていて、子どもたちの写真や動画も頻繁に送るようにしているという。
「接客業をしている自分の給料だけではその日暮らしみたいになってしまうし、子どもたちを大学に行かせたり、留学させたりという余裕はない。幸い養育費も慰謝料ももらっているが、それが途切れてしまう不安もある。とにかく滞ることなく支払いをしてほしい。正直、今は離婚をして時間が経っていないし、子供も幼いので再婚という考えは全く浮かんできていない状態だ」。
さくらさんにも改めて不倫・略奪愛について尋ねてみた。「人生がまるっきり変わってしまった。無条件で人を信じられる気持ちはなくなった。隠して甘い部分、いいとこどり。無責任な関係を持つのは弱い人間がやること。誰も幸せにしない。人によっては死を選んでしまうくらい重大な罪だと思う」。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
▶映像:不倫について当事者が語る離婚に踏み切れないワケ
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