2002年ごろの下北沢駅~松原駅周辺を舞台とする春の新アニメ「イエスタデイをうたって」が、4月4日からスタートした。漫画家・冬目景による独特なタッチのイラストと、男女の心を繊細に描くストーリーがどのようにアニメ化されるのか、原作ファンを中心に日増しに注目度を上げている。自身も原作の大ファンである藤原佳幸監督が、第2話の放送を記念した独占手記を寄せた。
▶動画:「イエスタデイをうたって」配信限定エピソード #2(ABEMA)
<藤原佳幸監督:独占手記>
2話は品子回です。1話でなぜ陸生をふったのか、、、についての答えあわせになっています。今作のテーマである人との距離感を、会話の間や視線などで心情を表現しました。
品子と晴の因縁を強調出来たらと思い、タイトルカット後に出席簿を出しています。社会人になって初めて生徒を受け持った品子が不本意な形で中退者を出してしまった、、、品子にとっての晴を描きました。
品子にしても晴にしても、先生と生徒としてお互いに負い目のある状態で、恋愛が絡んでくる気まずさがスタートラインにあり、そこからどのように変化していくのかが、この作品の根幹であり面白い部分なので気を付けています。
1話同様、晴「先生のせいじゃないよ」は晴のまずお互いの今までの事を清算した上で、陸生との事は対等でありたいという真摯さが、品子のナイーブな内面を揺さぶり一度は誤魔化そうとした真実を打ち明ける感情の流れを丁寧に描けたのではないでしょうか。
今作の中でもよく出てくる友達というキーワード。そんな定義が曖昧な言葉に振り回される陸生とそれを口実にする品子、そして晴の物語がようやく動き始めます。
3話は晴の内面を掘り下げる回です!乞うご期待!!
◆作品情報「イエスタデイをうたって」とは
1998年よりビジネスジャンプ~グランドジャンプ(集英社)で連載、2015年に完結した漫画家・冬目景による漫画作品。コミックスはシリーズ累計140万部を突破。現在も多くのファンに愛されている。
◆ストーリー
大学卒業後、定職には就かずにコンビニでアルバイトをしている”リクオ”。特に目標もないまま、将来に対する焦燥感を抱えながら生きるリクオの前に、ある日、カラスを連れたミステリアスな少女―“ハル”が現れる。彼女の破天荒な振る舞いに戸惑う中、リクオはかつて憧れていた同級生“品子”が東京に戻ってきたことを知る。
※品子のしなは木へんに品が正式表記
(C)冬目景/集英社・イエスタデイをうたって製作委員会