春の新アニメ「イエスタデイをうたって」が、4月4日の放送以来、好評だ。漫画家・冬目景による独特なタッチのイラストと、男女の心を繊細に描くストーリーがどのようにアニメ化されるのか、原作ファンを中心に日増しに注目度を上げている。主人公・魚住陸生(リクオ)を演じた小林親弘が、第3話の放送を記念した独占手記を寄せた。
▶映像:晴の健気さにキュンとくる「イエスタデイをうたって」#3
<小林親弘:独占手記>
一目惚れってしたことありますか?何かに惚れたときの行動力とかエネルギーってすごいですよね。理由がわからなくても好きだーーの勢いでどこまでも突き進めてしまう。
品子に宣戦布告した晴にもピストルが鳴った後の短距離ランナーのスタートみたいな勢いを感じた。リクオの設置する高いのか高くないのかよくわからないハードルをどんどん飛び越えて突っ走ってくる。第三話は半周遅れでスタートしたという彼女の、ひた走る魅力があふれている回だと思う。
晴はなんせ一途で健気だ。一目惚れの力がすごいのか晴がすごいのか、たまたま受験票を拾ってあげただけの名前も知らない青年(リクオ)を何年も想い続け、ついに話しかけたのが第一話最初のコンビニ前のシーンだとすると感動をおぼえる。
それに映画館で待ち合わせに遅刻され、そこで何時間も待った後、雨に濡れながら家の前で待ち続けてやっと会えた時の第一声が「よかった。何かあったのかと思った」これですよ。いやすごいよ貴方は。リクオよ他にかける言葉はなかったのか…。
待ち合わせがすれ違う場面はとても時代を感じる。この頃は携帯電話がないので「5分遅れます」「はーいじゃあ喫茶店で待ってるね」とか、そういうやり取りが全然できない。待ち合わせ場所で雨が降ろうが炎天下だろうが、ひたすらに待つしかないのだ。すれ違いが原因で喧嘩になったりなんかもよくあったように思う。
異性の家に電話をかけたらお父さんが出たとかそういうドキドキの体験なんかもこの時代ならではなんじゃないだろうか。いや懐かしい懐かしい。
そんなこんなで『愛とはなんぞや』な第三話でしたがいかがだったでしょうか。皆さんなら晴にどうやって答えますか?即答できた貴方はきっと哲学者…。
次回はあの人にスポットがあたります。第四話もお楽しみに…!
◆作品情報「イエスタデイをうたって」とは
1998年よりビジネスジャンプ~グランドジャンプ(集英社)で連載、2015年に完結した漫画家・冬目景による漫画作品。コミックスはシリーズ累計140万部を突破。現在も多くのファンに愛されている。
◆ストーリー
大学卒業後、定職には就かずにコンビニでアルバイトをしている”リクオ”。特に目標もないまま、将来に対する焦燥感を抱えながら生きるリクオの前に、ある日、カラスを連れたミステリアスな少女―“ハル”が現れる。彼女の破天荒な振る舞いに戸惑う中、リクオはかつて憧れていた同級生“品子”が東京に戻ってきたことを知る。
※品子のしなは木へんに品が正式表記
(C)冬目景/集英社・イエスタデイをうたって製作委員会