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 4月から放送中のアニメ『八男って、それはないでしょう!』(以下、八男)。原作はシリーズ累計270万部突破の人気小説で、著者はY.A氏、イラストを藤ちょこ氏が担当している。

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 商社に勤めるサラリーマン・一宮信吾が目を覚ますと、ド田舎の貧乏貴族の八男・ヴェンデリン(CV:榎木淳弥)に転生していた。領地を継げる見込みもないヴェンデリンだったが、魔法の才能に恵まれており、冒険者予備校に特待生として入学することに。策謀渦巻く貴族社会に揉まれながらも成長するヴェンデリンと、彼を支えるパーティメンバーたちの関係性にも注目だ。

 ABEMA TIMESでは、イーナ役の小松未可子と、ルイーゼ役の三村ゆうなへのインタビューを敢行。両キャラクターともに主人公・ヴェンデリンのパーティメンバーになる女の子だが、実家における立場は不安定で、どうにかして成り上がるための手段を模索している状態だ。演じている中でどのように感じていたのか、その思いを聞いた。

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―― 初めて作品に触れたときの感想をお願いします。

小松:最初『八男って、それはないでしょう!』という題名を聞いたときは「乙女ゲームなんだろうな」って思っていたんです(笑)。「8人いる兄弟の中から好きな1人を選んでね」みたいな、逆ハーレム作品だと完全に勘違いしていました。オーディションに向けて原作小説を読むと「なんて重厚なファンタジーなんだ……!」と驚かされ、猛反省しました。

 『八男』は人間関係や転生先の世界設定などがとてもしっかり描かれていて、物語に没入しやすいんです。『八男』に登場する女の子たちは、出会ったらすぐに主人公を好きになって他のキャラクターと主人公を取り合う、という感じではありません。Y.A先生が書く原作小説では、それぞれの人生や家庭環境が丁寧に描かれていたので、オーディションを受けるにあたって、これらを大いに参考にさせていただきました。

三村:私は最初「八男」の単語が読めなくて。「やつお……?」と混乱しました(笑)。兄弟の8人目という意味だと知ったときには「8人兄弟って楽しそう! なのになんで『それはないでしょう!』なんだろう?」と疑問に思いました。

 原作を読むと貴族社会や兄弟間の確執などがリアルに描かれていて、それらをヴェル(=ヴェンデリン)が乗り越えて、成り上がっていく物語だと気づくと面白くて。オーディションに受かったときは、とてもうれしかったです。ルイーゼは、私が演じてきたキャラクターの中では初めての“ボクっ子”なんです。それもすごい新鮮でした。

―― それぞれご自身が演じるキャラクターについて、面白さを感じた部分を教えてください。

小松:イーナはヴェルたちと仲間になっていくのですが、ヴェルを理解していく過程の描写がすごく丁寧なんです。例えば、日本風の味付けの料理を再現するために、ヴェルが魔法を使って食材を発酵させるシーンでは「魔法って便利でロマンがあるな」っていう見方だけではなくて、調理法の物珍しさに見入っているイーナがいる。ヴェルが転生したことによって、新たなカルチャーがイーナたちに託されるようになったと思っていて。一見すると細かい描写ですが、まるでひとつの文化の成立を見ているようで、面白いです。

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三村:先ほど(小松)未可子さんもおっしゃっていましたが、『八男』はみんなが当たり前に主人公を好きになるという作品ではなくて。初回収録時に「歴史物みたいな作品だから」と言われていて、これは本当にピッタリの表現だなって思います。

 ルイーゼもイーナと同じく三女で、実家の中での立場もあまりよくなく「家族に認めてもらいたいから頑張って成り上がりたい」という気持ちが強い人。だから、パーティメンバーとは、なかなかビジネスライクな付き合いをしているんです。

小松:そうそう、ルイーゼって堅実だよね。

三村:『八男』の登場人物の中で一番ビジネスライクなキャラクターな気がします。演じていて、状況に対して最もシビアなのはルイーゼなのかなって。

小松:「お色気側室大作戦」だもんね。

三村:「愛はない」って言ってるし、ビジネス(笑)。

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―― 主人公とメインヒロインの婚約だけではなく、イーナとルイーゼのような“主人公の側室”という立場のキャラクターは観ていて新鮮です。

三村:しかも、側室になることを嫌がってないんですよね。

小松:そうなんです。「仕事としての側室」みたいな感じでやってる(笑)。

―― イーナとルイーゼは、やはり「成り上がるため」に動いているのでしょうか?

小松:イーナは「ヴェルについていけば成功する!」みたいな感じで、パーティ結成も最初は「成り上がるための作戦」として考えていました。でも、みんなで支え合っていく中で、どこか自分たちと違うヴェルを人間的に愛して、少しずつ惹かれていくんだと思うんです。

三村:ルイーゼも最初は「ビジネス上のお付き合い」だったけれど、ヴェルの人間性に触れていくうちにそれが友情に変わって。普通ならそこから恋愛に発展しそうなものだけど、パーティメンバーとしての友情が強い印象です。

小松:それぞれのキャラクターが飾らないで、ナチュラルに描かれているんです。

三村:女の子が赤面しないんですよね。

小松:しないよね! そういう描写がないからこそ、彼女たちは何も遠慮することなしにヴェルとの関係を続けられているんだと思います。

―― 物語が進むとヴェルとの接し方に変化はあるのでしょうか?

三村:途中でキャラクターの年齢が上がるのですが、そこだけはちょっと意識しつつ、あとは自然体で演じていました。

小松:パーティとしてのチームワークの良さなどは、話が進むにつれて上がっていっているのかなって思いますね。アフレコでは「アドリブで1分くらい繋いでおいてください」みたいなこともけっこうありました(笑)。

三村:無茶振りかな?! みたいな(笑)。

小松:きっとパーティの良い関係性がアフレコ現場でも再現できていて、だから「託してもらえたのかな?」と思っています。

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―― ご自身の兄弟姉妹について「お兄ちゃんが欲しかった!」「こういう妹が欲しかった!」といったお話があれば、聞かせてください。

小松:私は兄と弟に挟まれて育ってきたので、女の子が私しかいなくて……。同性の、特に姉がすごく欲しかったです! 恋バナなんて兄や弟にしてこなかったですし、メイクやファッションにもまったく興味が湧かない環境で。服は兄のお下がりを着ていましたし、もし姉がいたら、もうちょっと違ったかも(笑)。そういう未来も見てみたい。

三村:うちは姉が1人なので、逆にお兄ちゃんが欲しかったです。可愛がってもらいたかった!

―― 最後に『八男』に期待する視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

小松:『八男』がついにアニメ化ということで、文章で描かれて皆さんの脳内にあった映像がアニメーションでどのように表現されるのか、ワクワクしながら観ていただけたらうれしいです。舞台は魔法が存在する世界ですが、成り上がっていくための堅実な積み重ねの話だったり、現代社会に活かせるヒントがあったりする作品です。いろいろな側面から見ることができる作品だと思っていますので、ぜひ楽しんで見ていただけたらと思います!

三村:『八男』は実は、音楽にもこだわりを持って作られている作品なんです。劇伴の演奏には、カテリーナ古楽合奏団さんが起用されていて、中世ヨーロッパ風の世界観を表現した壮大な雰囲気で、音楽と映像、ストーリーが三位一体になっています。すごく良い作品に仕上がっていますので、ぜひ皆さんも楽しんでいただければ幸いです!

(取材・構成: あいひょん)

(C)Y.A/MFブックス/「八男って、それはないでしょう!」製作委員会

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