今月17日、大阪拘置所で40代の刑務官が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。その後、この刑務所では合わせて8人の刑務官の感染も確認されている。刑務官の感染を受け、収容者40人は独居房に隔離され、全職員119人の五分の一ほどが自宅待機となった。刑務所や拘置所など、全国には188カ所の刑事施設があり、収容人数は約4万8000人。以前から刑務所の定員オーバーが問題視されており、感染リスクが高いことも指摘されていた。
この状況に「監獄崩壊」の可能性を指摘するのが、元刑務官でノンフィクション作家として活動する坂本敏夫さん。坂本さんは「刑務所、拘置所、とくに拘置所は三密の世界なので、いずれ起こるとは思っていた」と述べると最悪のシナリオについても言及し「瞬く間に医療崩壊。その次に監獄崩壊に至る。“プリズン・ブレイク”です」と続けた。
被告人や受刑者がコロナにかかったからと言って、外の病院は受け取ってくれない。その結果、拘置所や刑務所がコロナ病院化して、刑務所勤務を希望する医師も少ないため、一般病院からの応援も望めず、クラスターの連鎖が発生するというのが坂本さんの考える最悪のシナリオだ。
さらにウイルス蔓延における隔離措置により、独居不足が発生。行き場を失う受刑者が出てくることも考えられるという。その点について坂本さんは「健常な受刑者は罪の重さに関係なく仮釈放することもあり得る。刑務所の崩壊が、日本を崩壊させる。そこまで考えないと、大変なことになる」と話す。
実際にアメリカのフロリダ州では、微罪の100人以上が仮釈放されている。しかし、仮釈放の翌日に殺人を犯した事案も発生しており、国は難しいかじ取りを迫られることになりそうだ。(ABEMA/『ABEMA的ニュースショー』)
【映像】新型コロナ“監獄崩壊”の最悪シナリオ
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