新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国に緊急事態宣言が発令された。不要不急の外出自粛が求められるいま、自粛の波は飲食店も例外ではない。しかし、休業要請を受けてもなお、都内で深夜まで通常営業を続ける居酒屋店のオーナーもいる。26日にABEMAで放送された『ABEMA的ニュースショー』では、営業を続ける一人の店主に電話で話を聞いた。
「通常通りやってますね。夜、12時まで。お客さんはほとんど来ないんですけど、店を開けてると、常連さんが少し顔を出してくれたりとかあるので」
東京都が営業自粛に応じた事業者に対して協力金などを用意しているが、そのことについては「何の情報が正しいかもわからない。とりあえず、自分の意思に従って開け続けるだけ。何もしなければ数カ月で終わってしまう」と応じた。
聞けば、このお店の家賃は1か月78万円。子どもは2人いる。閉めるといっても、不動産契約時の条件などから、すぐに店を畳むわけにはいかない。大阪などでは協業要請に応じないパチンコ店などの店名が公表され波紋を呼んだが「店名の公表にはドキドキしている。やっぱり堂々とはできない」と言葉を詰まらせた。「バイトまで巻き込むわけにはいかない」と現在は一人で、ひっそりと営業を続けている。
ジャーナリストの堀潤氏は「今は言いたくても言えない人たちが大勢いる」と匿名ながらも電話取材に応じた店主にお礼を述べると、国や自治体が準備をしている協力金や低利の貸付制度などの申請状況について実情を尋ねた。すると店主は「ずっと申し込んでいるが、資料を郵送しても音沙汰ない状態だ。電話もつながらない。仮に緊急事態宣言が延長されたら精神状態も変わってくる。どれくらい宙ぶらりん状態にされるのか」と窮状を訴えた。
この店主の訴えを聞いた元芸人で現在はラジオパーソナリティーとしても活動するマンボウやしろは「78万円の家賃を払い続けるということを考えると、焼け石に水とは言わないが、都にしても国にしても、一体どこまでお金を用意すればよいのか。国や都を攻めることができない部分もある。素人としてみても、どうしたらいいのか全く分からない」と話した。
マンボウやしろの意見に頷いた堀潤氏は「給付や補助というのはもらうものではない。私たちが払っている税金を返してもらうような考え方だ。税金が払えない状況を増やすことによって、財政そのものが傾いてしまう。いまは働ける人、働ける環境を大事に温存させる。将来の納税を守るんだという思いで、今はお金を刷って出すことをやるべきだ。商店を潰したら、日本の復興はない」と“コロナ禍”における財政出動に理解を示した。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』より)
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