4月2日より放送中のアニメ「かくしごと」。同作は「月刊少年マガジン」(講談社)で連載中の久米田康治氏が手掛ける同名漫画が原作。娘に自分の職業を隠している漫画家・後藤可久士(CV:神谷浩史)と、彼の一人娘・後藤姫(CV:高橋李依)の日常を描いたハートフルコメディだ。
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何においても娘が最優先の”親バカ” 可久士と、父親想いの姫が織りなす愛と笑い、感動に溢れた日々に、SNSでは「この春一番の深いアニメになるかもしれない」「姫の純粋さと父の愛情でちょいちょい涙でそうになる」「笑い9割に1割のシリアスを挟むとこがこの作品の肝」など、アニメ「かくしごと」の世界に魅了された視聴者の声が多くあがっている。
今回、ABEMA TIMESでは、姫役を務める声優・高橋李依にインタビューを実施。作品の魅力や制作の裏話、自身の「かくしごと」の思い出までたっぷり話を聞いた。
「裏声は使わない」小学生を演じるうえで挑戦したこと
――「かくしごと」の原作を初めて読んだ時の感想はいかがでしたか?
高橋:当然久米田先生がすごいのですが、「漫画家じゃない私が、漫画家あるあるで笑っちゃうなんて!」と、謎の優越感を覚えています(笑)。久米田先生のコラムや、後藤先生のひとことコメントも楽しく、漫画家さんの苦労を体験させてもらったようでお得な気分になりました。
――後藤姫役を演じると決まった時の気持ちを教えてください。
高橋:姫は10歳と18歳でキャストを分けるかもとのことだったので、マネージャーさんに受かったことを聞き、18歳の方だと思ったのも束の間…「どっちもです」と伝えられたときは、私を選んでくださった挑戦を受け取ったのと、お芝居でもっと掛け合いしたいと願っていた神谷さんと共演できる喜びでドキドキでした。
――姫役を演じる上で特にこだわったことや新しいチャレンジはありましたか?また、難しかったことはありますか?
高橋:まず自分自身が、幼い女の子を演じる機会がなかなかなかったので、その時点ですでに挑戦でした。難しかったのは、姫ちゃんの発言の意図がわかりすぎないようにすることです。なんでも正解の感情を演じようとせず、大人から見て何を考えているかわからない子供にしたいとのことで、その調整を心がけました。
――Twitterで「君は天然色」を「姫ちゃんで歌うの難しかった……っ!」と呟いていらっしゃいました。 具体的にどのようなポイントが難しかったですか?
高橋:キーが小学生らしく高めに設定されていたのもあって、普段だったら裏声を使う音域なのですが、本編のアニメで姫ちゃんとしての裏声を使ってこなかったので、自分で「裏声は使わない」というルールに挑戦しました。
また、子どもを演じる際に肺の小ささや口の小ささを意識しているのですが、それらを歌声に落とし込むのは初めてで、やりながら固めていきました。
歌詞を噛み砕いて情感たっぷりに歌うより、10歳の子がみんなで楽しく有名な歌を歌っている空気感にしたかったので、聴き終わったあと「姫ちゃんだった」という感想だけでも残れば嬉しいです!
――アフレコ現場で印象的だった出来事やハプニングはありましたか?
高橋:毎回豪華な差し入れをいただくのですが、食べたことのないお菓子や珍しいものは、よく男性陣に先陣を切って味見していただいていました(笑)。そのあと、嬉しそうにこっそり味ごとに選んで食べる佐倉綾音さん(筧亜美役)が可愛かったです…!
今の高橋李依を作った母の「かくしごと」
――高橋さん自身も家族や友達に「かくしごと」をした経験はありますか?
高橋:小学校高学年くらいの頃、家族がまだ寝ている朝方にこっそりとパソコンを起動して、掲示板に書き込みをしていました。
掲示板で出会うみんなは、年齢もバラバラなのに本当に優しく、毎朝の会話が楽しみで早起きも全然辛くありませんでした。ただ、今改めて見返すと、幼い言葉使いに、ネットマナーもなっていない書き込みばかりで、あの時は小学生が本当にすみませんでしたと謝りたいです……。スレタイは、永遠に隠し続けます。
――父である後藤可久士が姫を大切に思うが故に「かくしごと」をしているように、高橋さんも今になってわかるご両親の「愛のあるかくしごと」は思いつきますか?
高橋:私が幼い頃は、我が家の教育方針についてママ友同士でいろいろ問われたことが何度もあったみたいなんです。門限もあって、お行儀についても決して甘やかされたわけではないのですが、母は私の感性や好きと感じたものを壊さないように、「普通の子はね……」と押し付けない、「普通を隠した」んだと思います。
きっと周りにびっくりされたり、白い目で見られたことばっかりだったはずですが、こういう表現の仕事でも頑張ることができたのは、そんなかくしごとのおかげだと思います。ママ友の皆さん、ご迷惑をお掛けしました!
――高橋さんから見たアニメ「かくしごと」の魅力はなんですか?
高橋:原作を読んだときに感じた世界観を、ここまでアニメで表現できるんだ……と、携わっている私ですら完成度の高さに驚いています。お話の構成も演出も絵も色も音も芝居も、放送時間やら宣伝まわりも、きっとどこのセクションも原作を基準に大切に作っているのが伝わるし、原作に負けないように挑戦しているんだろうなと感じています。
「かくしごと」の魅力は、可久士が姫に注ぐような、「アニメが原作に注ぐ愛」でいかがでしょうか!
――新型コロナウイルスの影響が諸々ある中で、アニメを楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをお願いします。
高橋:かくしごとを見てくださっている皆さま、改めて本当にありがとうございます!
アフレコの方は無事に録り終えることができまして、あとはスタッフさんたちの健康第一で、どうか最終話までお届けできることを願っております。
きっと、「かくしごと」に出会えてよかったと思ってもらえるような最後になるはずです。ぜひ、原作共々、完成するそのときまで見届けてください!
(C)久米田康治・講談社/かくしごと製作委員会