綿密なキャラクター描写や世界観に年齢・性別を問わず多くの視聴者が惹きつけられている『ソードアート・オンライン』(SAO)シリーズ。7月11日(土)より放送開始されるアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』(以下『SAO アリシゼーション WoU』)の2ndクールは、《アリシゼーション》編最終章であり、前シーズンで怒涛の展開を迎えた物語の続きが描かれる。
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ABEMA TIMESでは今回、オープニング主題歌『ANIMA』を歌うReoNaへのインタビューを実施。キャリア初となるオープニング主題歌タイアップとなる今回。ReoNaが歌にかける想いとは?
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■『ANIMA』は「できる限りシンプルに、削ぎ落とした」歌詞
photo by 山本哲也
―― 楽曲『ANIMA』(7月22日リリース)について、歌に込めた意図や、同楽曲への想いを教えてください。
ReoNa:『ソードアート・オンライン アリシゼーション』2ndクールのエンディング曲『forget-me-not』から1年ぶり2度目に再びこの物語に、しかも《アリシゼーション》編の最終章に携わらせていただくことが本当にたまらなく光栄です。あらためてプレッシャーを感じました。
まず、タイトルになった『ANIMA』は、ラテン語で生命や魂を意味する単語です。「AIに魂を与えたら、AIに感情があったら……」というところから始まった《アリシゼーション》編の物語の中で“魂”はものすごく大きいテーマ・キーワードなんです。「肉体・魂・感情・心・命をすべて揃えている私たちと、肉体は持たないけれど魂は与えられた彼らと、一体何が違うのだろう?」という想いも込めています。「魂の色は何色ですか」というフレーズが何度も出てくるのですが、楽曲全体がこのフレーズに収束するようなイメージを持って歌わせていただきました。
―― 『ANIMA』を聴いて「魂の色は何色ですか」が何度も出てきて、とても印象的でした。アニメ『SAO アリシゼーション WoU』最終章のプロモーションビデオ(PV)でも「魂の色は何色ですか」というフレーズが「ここぞ!」という部分で用いられています。
ReoNa:PVは場面や台詞の切り取り方がもう本当に素晴らしくて。制作に関わった方すべての『SAO』への愛が感じられる映像になっていました。冒頭のメロディーに対して「魂の色は何色ですか」というフレーズは、「収まるべくして収まった言葉」というのを強く感じています。言葉のオーダーメイド感がすごいんです。
私は作詞・作曲・編曲すべてを手がけている毛蟹さんの制作の過程も隣で見ていました。作詞の際、毛蟹さんは自分にとっての「魂のカタチ」をまず定義したとおっしゃっていて。「真ん中に魂があって、その外側に器となる命があって、それを心が覆っている」と。毛蟹さんは「魂のカタチ」についてすごく明確なビジョンを持っていました。
photo by 山本哲也
ReoNa:《アリシゼーション》編に登場するAIたちには器となる命=肉体はないけれど、心が必死に魂を支えています。現実世界側の人間には悪い人たちもいっぱい出てきて、彼らは器となる命はあるのに、“心ない”人として存在しています。それを聞いて、あらためてこの歌詞を見ると、「心はどこに 器はどこに」というフレーズはまた違うように聴こえるのではないでしょうか。
今回の歌詞で一番気をつけたこと、芯になっていることが「できる限りシンプルに、削ぎ落としていく」という考え方です。リスナーの手元に歌詞カードがなくても伝えることができて、オープニング映像を見ながらでも言葉の力がスッと耳に入ってくるようなのが良いなって。本当に削ぎ落とした歌詞で、何回も何回も直しました。物語の舞台である《アンダーワールド》では、英語が神聖術を行使するための神聖語になってしまうため、歌詞には英語を登場させていません。
■ユージオの最期は「何度でも泣けます」 『ANIMA』は「“魂”を込めて作った楽曲」
―― ReoNaさんも『SAO』シリーズファンとのことですが、好きなキャラクターやイチオシのシーンはありますか。
ReoNa:《ファントム・バレット》編のシノンが大好きです。ただ、《アリシゼーション》編がアニメ化されてからはユージオが一番好きになりました(笑)。いつの間にかユージオというキャラクターが、キリトの隣にすごくしっくりくるキャラクターになっていて、キリトに対して、ちょっと後ろ向きというか、ネガティブな雰囲気も持ち合わせつつ、でも心の奥底ではものすごく熱い炎を滾らせている。そんなユージオがすごく好きです。
印象に残っているシーンはやっぱり、ユージオの最期ですね。『SAO』シリーズの中で最も繰り返して見たシーンで、あのシーンはどうしても……、何度見ても涙が浮かびます。
―― ユージオの最期は衝撃的でしたね。
ReoNa:原作ではそうだけど、せめてアニメでは別の救済を……ってちょっと思っていたところもあって。最期はやっぱり切なくて、キリトが思うアリスと、ユージオが思うアリスのために、ユージオが身を引く。「そんな最期あってたまるか……ッ!」と思いながら。あのシーンは何度でも見られますし、何度でも泣けます。
―― ユージオもAIなのに、いろいろな姿を見せてくれるキャラクターでした。ReoNaさんの心を打たれた経験が、『ANIMA』の歌唱にも反映されているのでしょうか。
ReoNa:『ANIMA』の作詞・作曲・編曲を担当した毛蟹さんも『SAO』シリーズのファンで、オープニング映像では1番しか流れないかと思いますが、実は2番の歌詞に「いなくなったユージオのことも忘れないでね」という想いが込められています。アニメの放送で『ANIMA』を知った方も、2番以降の歌詞に注目してフルで聴いていただけたらうれしいです。
―― 最後にアニメ『SAO アリシゼーション WoU』最終章放送に向けて、ファンにメッセージをお願いします。
ReoNa:『forget-me-not』『虹の彼方に』から1年が経ち、今回も『ANIMA』で続けて関わらせていただいているからこそ、この《アリシゼーション》編の最終章にかけるアニメ制作スタッフさんたちの想いや情熱を近くで見てきました。オープニング楽曲として起用されるだけで光栄ですが、私からも『SAO』に対して恩返しをできればと考えています。作品を深く愛するきっかけに『ANIMA』がなれたらうれしいですし、作品との掛け算ができる楽曲になるよう真剣に歌わせていただいております。
超ビッグタイトルの『SAO』に対して、ReoNaはすごくすごくちっぽけな存在かもしれませんが、それでも負けないくらいに、肩を並べて一緒に発信するような想いで、ReoNaとしても、ReoNaの制作チーム全体としても、本当に“魂”を込めて作った楽曲です。是非『SAO』の物語と一緒に、この『ANIMA』という楽曲も愛していただけたらうれしいです。
(C)2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project